2004 Fiscal Year Annual Research Report
完全連通孔高強度アパタイト多孔体を用いた間葉系幹細胞増殖・分化技術の確立
Project/Area Number |
14208107
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Research Institution | NATIONAL INSTITUTE OF ADVANCED INDUSTRIAL SCIENCE AND TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
大串 始 独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門, 研究グループ長 (80213669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 敦夫 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究員 (30356480)
児玉 亮 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (70344447)
金村 米薄 独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門・組織再生工学研究グループ, 研究員 (80344175)
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Keywords | 骨髄 / 骨形成 / セラミックス |
Research Abstract |
Fischer344、7週令ラットより骨髄細胞を採取し、1週間初期培養する事により、接着性の細胞を増殖させた。この培養細胞群の間葉系細胞としての性質の検索をおこなう為に、種々細胞表面抗原を検索したところ、下記のヒトの表面抗原発現と同様に間葉系細胞としての抗原提示を示す細胞集団であった。さらに、これらの細胞をHepatocyte Growth Factor : HGFの存在の下に培養をおこない、総RNAを抽出してRT-PCRをおこないおこなったところ、albumin, c-metやCK18,19の発現を確認できた。すなわち、このラット由来の間葉系細胞はin vitroで肝細胞へ分化しえる細胞であることが確認できた。また、ヒト間葉系細胞の培養をおこない、各種細胞表面抗原の解析をおこなったところ、CD34,45は陰性であり、SH2,3やALPならびにstro-1抗原が陽性の細胞集団が効率よく増殖できうることを見いだした。すなわち、ヒト骨髄細胞の培養により間葉系細胞としての細胞適格性を有する細胞が数多く増殖できることを確認した。また、ヒト間葉系細胞をメルカプトエタノール存在下で培養したところ、Nestin mRNAを発現していた。さらに、培養を続けることにより、形態は神経細胞様突起を有する細胞集団が増殖し、さらにこれらの細胞は免疫染色すると抗b-IIITubulinに陽性であった。これらの結果より、骨髄からえられる接着性の細胞は間葉系細胞としての性質を有し、さらに肝細胞や神経細胞になりうる結果を示した。 以上、本年度も予定どおりに研究が進展したことを報告する。
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Research Products
(5 results)