2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14310097
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
喜多 祐荘 東海大学, 健康科学部, 教授 (70153088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 公治 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60113669)
渡辺 俊之 東海大学, 医学部, 講師 (70240512)
谷口 幸一 東海大学, 健康科学部, 教授 (20141161)
水谷 俊夫 中部学院大学, 短期大学部, 教授 (20320971)
太田 貞司 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (90223833)
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Keywords | 痴呆 / 記憶障碍 / 記憶障害 / 遺存記憶 / 遺存記憶年齢 / 記憶再生 / 回想 / 関係形成 |
Research Abstract |
第二年次は、痴呆性高齢者本人の遺存機能の事前調査、人生回想、共同語り、面談後の日常生活場面における本人状況確認を行い、並に、本人と面談者の変容を検討した。対象者本人に施設職員3人が交代で週1回ずつ面談を実施する方法をとった。 本人の遺存機能:面談前の調査において、本人には回想可能な記憶年齢(若い年代)が遺っていることが確認された。面談者は本人の遺存記憶年齢に質問の範囲を限定した。 本人の回想・語り:本人は面談室において、質問を理解し応答することができた。質問に促がされつつ、記憶再生し会話することができた。自分が今話している内容を認識しながら、自分の思想を語ることができた。とくに、面談者が肯きながら聴いてくれると、本人は元気になり自信を持って語り、相手と親密な関係になった。 面談後の本人の状況:いつもの生活場面に自ら戻ったとき、面談室の話題をつづけると、本人は会話を継続することができた。しかし、同じ生活場面で面談室の話題を打ち切り面談者が側を離れたあと改めて話しかけても、本人は面談者の顔と話題を再生することが出来なかった。ただし、面談室で食べた好物については再生できた。 全体を振り返ると、面談者はいずれも、本人の人生体験や語り内容を具体的に認識することができた。そして、面談者による本人の認知・会話・情動機能の評価が肯定的に変化し、本人への肯定的感情と共感的態度が強化された。 本年度は、本人の意識過程、本人との会話過程、本人への援助過程を考察した。
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Research Products
(2 results)