2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ光集積回路内部の近接場光エネルギーの伝送機構解明と外部回路との結合法の研究
Project/Area Number |
14350033
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大津 元一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70114858)
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Keywords | 近接場光 / 光スイッチ / 性能指数 / 導波路 / 光集積回路 / プラズモン |
Research Abstract |
近接場光を使ったナノ寸法の光集積回路である「ナノ光集積回路」を次世代の光システムのための基盤技術として機能させるためのシステム的観点から、次の2課題を並行して行った。 【1】ナノ光集積回路内部の近接場光エネルギーの伝送機構解明 (1)光システムのナノ物質材料としてZnOを近接場光による化学気相堆積法により作製し、その光学的特性を評価した。特に我々の見出した非断熱過程を利用した化学気相堆積法により位置寸法精度を向上させ、まずZnの堆積については寸法5nmの微粒子作製に成功した。またZnOの発光特性において、隣り合うZnO微粒子との間での近接場光エネルギー移動を確認し、これによりナノフォトニックスイッチ動作の基礎現象を検出できた。 (2)標準試料としてCuClのナノ物質に対して平成14年度と同等の実験、理論解析を行い、実用システムとしてのナノ光集積回路の内部での近接場光エネルギー伝送の時定数を推定した。これによりスイッチデバイスとしての性能指数を評価することができ、既存の光デバイスの10〜100倍高い値を得た。 【2】外部回路との結合 (1)上記【1】のナノ光集積回路のためのプラズモン導波路、さらには集光器を作製し伝搬光・近接場光変換効率を評価した。まず導波路については金属ワイヤよりも更に損失の小さな形状として金属微粒子列を作製し、導波路を形成した。これにより伝送損失を1/10に低減した。さらに金属微粒子配列を利用した集光器を作製し、前記の金属微粒子列入力端にプラズモンを結合させることができた。 (2)TMプラズモン導波路の並列アレイ作製の可能性を探るために、上記金属微粒子配列をジグザグ形状とし、伝送特性を評価した。その結果、直線状配列と同等の低い伝送損失を確認した。これにより並列アレイ形成のための空間的自由度を確保することができた。 以上の【1】、【2】の研究成果により次世代光システム内でのナノ光集積回路の使用可能性を確認することができた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Sangu, K.Kobayashi, T.Kawazoe, A.Shojiguchi, M.Ohtsu: "Quantum-Coherence Effect in a Quantum Dot System Coupled by Optical Near Fields"Transactions of the Materials Research Society of Japan. 28・4. 1035-1038 (2003)
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[Publications] T.Yatsui, S.Takubo, J.Lim, W.Nomura, M.Kourogi, M.Ohtsu: "Regulating the size and position of deposited Zn nanoparticles by optical near-field desorption using size-dependent resonance"Applied Physics Letters. 83・9. 1716-1718 (2003)
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[Publications] T.W.Kim, T.Kawazoe, S.Yamazaki, J.Lim, T.Yatsui, M.Ohtsu: "Room temperature ultraviolet emission from ZnO nanocrystallites fabricated by the low temperature oxidation of metallic Zn precursors"Solid State Communications. 127. 21-24 (2003)
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[Publications] M.Ohtsu, K.Kobayashi: "Optical Near Fields"Springer-Verlag. 205 (2003)