2004 Fiscal Year Annual Research Report
In vivo模倣系でのタンパク質高次構造転移スイッチング機構解明
Project/Area Number |
14350433
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Research Institution | JAPAN ADVANCED INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
高木 昌宏 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (00183434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白木 賢太郎 筑波大学, 大学院・数理物理科学研究科, 助教授 (90334797)
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Keywords | 凝集 / リフォールディング / 添加剤 / タンパク質 / ミスフォールディング |
Research Abstract |
【背景および目的】遺伝子組換え体で発現させたタンパク質は、不活性な封入体と呼ばれる小粒子顆粒を形成することが多い。封入体から活性のあるタンパク質を得るために、還元変性状態からのリフォールディングを行う必要がある。本研究では最も単純な希釈法を改良し、添加剤を含む98℃の希釈溶液中でリフォールディングさせる方法を開発した。 【方法】ニワトリリゾチームをモデルタンパク質に用いた。100mg/mlのリゾチームを6M塩酸グアニジンおよび30mMジチオトレイトール中に20℃で12時間放置して還元変性リゾチームを調製した。高温リフォールディング法(Thermal Refolding Method;TRM)は、98℃に加熱しておいた希釈溶液中に終濃度が6mM還元型グルタチオン、3mM酸化型グルタチオンを添加し、直後に還元変性したタンパク質溶液を終濃度1.0mg/ml(100倍希釈)となるように希釈して、これを98℃で5分間で保温した後、1分間氷上で急冷し、20℃で24時間放置した。残存活性を比較することで収率を算出した。 【結果・考察】20℃で添加剤なしの条件で、還元変性リゾチームを希釈法でリフォールディングさせたところ、5%程度の収率であった。しかし、TRMでトリス緩衝液など、アミンを持つ緩衝液を希釈溶液中に共存させてリフォールディングさせると、収率は10%に増加し、さらに1ML-アルギニンと100mMトリス緩衝液(pH7.4)を希釈溶液とした場合の収率は60%にまで増加した。また、TRMにおいては添加剤にアミン構造を含む緩衝液を用いた場合、特に効果が高い。本方法は、トリス緩衝液やアルギニンを添加しておき高温で希釈するという単純な方法である。従来法と比べてコストや時間の欠点も無く、収率が数倍に増加するため、様々なタンパク質のリフォールディングにも応用が期待できる。(特願2003-370290号)
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Research Products
(6 results)