2004 Fiscal Year Annual Research Report
森林の潜在的生産力と撹乱体制を考慮した生態的ゾーニング手法の開発
Project/Area Number |
14360090
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
谷口 義信 宮崎大学, 農学部, 教授 (70041051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 収 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20178966)
伊藤 哲 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00231150)
溝上 展也 九州大学, 農学研究院, 助教授 (00274522)
作田 耕太郎 九州大学, 農学研究院, 助手 (10274523)
光田 靖 宮崎大学, 農学部, 日本学術振興会特別研究員
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Keywords | ESC / 林地生産力 / 撹乱体制 / 生物多様性 / ゾーニング / 生態系管理 / GIS |
Research Abstract |
1.森林の潜在的生産力を推定する手法として、前年度に構築した地形依存型地位推定モデルについて異なるデータソースを用いた再検討を行い、効率的な広域森林生産力推定のためのモデル改良を行った。さらに、現地測量に基づく生産力指標の比較から、広域推定モデルの限界と現地適用時の注意点について考察した。 2.九州中央山地の小流域を対象に、前年度構築した大規模撹乱の発生に関する地形依存型斜の発生確率推定モデルを改良し、同一地質および同一気象条件下の天然林と人工林に適用して、人工林化に伴う撹乱発生確率の変化を解析した。この結果、天然林では明瞭な地形依存性が認められるのに対して、人工林では撹乱発生の地形依存性が薄れ、全体的に撹乱発生確率が上昇することが明らかとなり、人工林再配置における防災的視点からの支援情報が整備された。 3.森林の生態的立地区分結果と実際の森林配置の制約の下で、生物多様性を保全するための再配置方法論を、絶滅危惧種を材料として検討した。その結果、対象種の生活史特性を考慮した戦略的再配置が、ランダムな再配置や林地生産力のみを考慮した再配置に比較して、極めて保全効率が高いことが示された。この結果を用いて様々な生活史特性を想定したシミュレーションを行った結果、微地形の連続性を考慮し天然林パッチを連結する森林再配置が生物多様性保全上有効であることが示された。 4.上記の3つの視点をそれぞれに考慮し、重要度に重み付けを行った生態学的立地区分方法を提示した。この中で、行政的な広域ゾーニングと経営的な小面積ゾーニングとの関係を整理し、中・長期的な森林管理戦略と短期的な森林管理戦略のそれぞれに対して、意志決定の支援システムを構築した。
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Research Products
(4 results)