2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規免疫抑制剤FTY720と抗ICOS抗体の移植医療への応用研究:免疫学的メモリーとミクロキメリズム解析
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14370368
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
木村 廣光 国立成育医療センター研究所, 共同研究管理室, 室長 (80115477)
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Keywords | FTY720 / sphingosine 1-phosphate receptors / 免疫学的メモリーT細胞 / 樹状細胞 / 遺伝子ベクター / 第三世代HIV改変lenti virusベクター / 移植免疫寛容 / ミクロキメリズム |
Research Abstract |
Sphingosine 1-phosphate receptors(S1P)を介して、リンパ球の細胞動態と寿命に極めて強い生物活性を有する事が、明らかとなった新規免疫抑制剤FTY720と、新たに同定された,細胞接着因子ICOS(CD28,CTLA-4 family),及び,ICOS-L(ICOSリガンド)に対する抗体を用いて、小動物(ラット)臓器移植モデルに於ける移植寛容導入に応用する事を目的として、FK506,並びにFTY720の抗ICOS抗体との,併用による免疫抑制、免疫学的メモリーに対する効果、並びに移植免疫寛容とミクロキメリズム成立の関連について解析を行った。FK506,及びFTY720ともに、単独療法に較べて、抗ICOS抗体との併用により、極めて効率の高い免疫寛容導入が出来る事が明らかとなった。一方で、同併用療法の免疫学的メモリーT細胞への影響を解析した結果、免疫学的メモリーT細胞の機能は維持される事が確認された。 さらに、ミクロキメリズムを構成する細胞集団のうち、臓器に由来する細胞の中でも,特殊な抗原提示細胞に属する樹状細胞(Dendritic Cells:以下DC)を、移植免疫寛容導入に応用する事を目的として、ラット骨髄細胞から、試験管内で、GM-CSF非依存性に増殖する、樹状細胞前駆細胞を用い、樹状細胞を大量細胞培養し、CD161a(NKR-P1A)を有する樹状細胞の細胞培養法を確立した。また同培養法により分離精製によって得られる、DCを用いて、各種遺伝子ベクターの遺伝子導入効率の検討を行った。本研究により、第三世代lenti-virusを用いた、遺伝子ベクターのみ、樹状細胞前駆細胞に遺伝子導入が可能である事が、明らかとなった。一方、従来より報告のあったアデノウィルスベクターを用いた樹状細胞への遺伝子導入システムでは、成熟ラット樹状細胞に、直接遺伝子導入する事は確認できなかった。
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Research Products
(5 results)