2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規免疫抑制剤FTY720と抗ICOS抗体の移植医療への応用研究
Project/Area Number |
14370368
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
木村 廣光 国立成育医療センター(研究所), 共同研究管理室, 室長 (80115477)
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Keywords | 抗ICOS抗体 / FTY720 / AdCTLA4-Ig / CD28ファミリー / 慢性拒絶反応 / 心臓移植 / 皮膚移植 / CD152 |
Research Abstract |
T細胞活性化に於ける、共役刺激因子群、特にT細胞に表出されたCD28とそのリガンドである抗原提示細胞上のB7.1(CD80),B7.2(CD86)相互作用に対するCTLA-4(CD152)Igの免疫寛容誘導能の重要性が明らかになりつつある。 しかしながら、CTLA-4Ig産生アデノウィルスベクター:AdCTLA-4Igの単独遺伝子治療法は、急性拒絶反応を強く抑制する事が可能であるが、その後に起こる慢性拒絶反応を制御する事が困難である。特に、移植心に対する免疫寛容を誘導した、同ラットへのドナータイプの皮膚移植により、移植心の急性拒絶反応を惹起する。一方CD28ファミリーに属し、活性化T細胞に表出される、ICOSとB7hの相互作用が、活性化T細胞の機能維持に重要な働きを有しているという他者等の報告から、慢性拒絶反応に対する抗ICOS療法の可能性が、期待され、本年度は、AdCTLA-4Igの単独遺伝子治療法による、ラット心臓移植慢性拒絶反応モデルに対する、抗ICOS抗体、並びに、新規免疫抑制剤FTY720の併用療法による、制御機構の解析を中心に、臨床移植に於ける、慢性拒絶反応への応用を目指した、基礎的研究を行った。 CTLA-4(CD152)Ig単独療法で、急性拒絶反応を抑制された、移植心免疫寛容誘導された、ラットへの、抗ICOS並びにFTY720の併用療法は、ドナー型皮膚移植後に起こる移植心臓の拒絶反応を極めて良好な状態で阻止する事が可能であり、観察期間中(200日以上)安定した免疫寛容状態が維持される事が示された。しかしながら、移植心と同じドナー型移植皮膚片に対する拒絶反応を制御する事はできなかった。以上の結果から、移植心臓に対する安定した免疫寛容状態と、ドナー型移植皮膚片に対する安定した免疫寛容状態の誘導への更なる免疫療法が必要であると考えられる。
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Research Products
(4 results)