2004 Fiscal Year Annual Research Report
全身麻酔における意識消室メカニズムの電気生理学的研究
Project/Area Number |
14370485
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
竹之下 眞 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00144486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸 倫義 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10335177)
佐井 義和 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (50135703)
牧浦 弥恵子 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90293836)
野坂 修一 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80237833)
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Keywords | 麻酔 / 意識 / 視床 / 抑制性シナプス |
Research Abstract |
全身麻酔の作用機序は未だ確定していないが、シナプス伝達、特にGABA系抑制性シナプス達に及ぼす作用が注目されている。静脈麻酔薬、ガス麻酔薬、揮発性麻酔薬にわたる広範な麻酔薬によりIPSP/IPSC振幅の変化や持続・減衰(decay)の延長が報告されている。 近年、30-100Hzの視床-大脳皮質間や海馬-大脳皮質間にGABA作動性相互抑制性の共鳴振動(thalamo-cortical oscillation、別名40Hzリズム)が発見され、認知や意識との関連が示唆されている(Llinas 1993)。このthalamo-cortical oscillationは覚醒時やREM睡眠時に自発的に発生し、また麻酔によりその共鳴振動周波数が減少する(Munglani 1993)。イソフルレンによるIPSC減衰(decay)の延長とthalamo-cortical oscillation周波数の減少が報告されている。すなわち、麻酔薬によるIPSP/IPSCの持続(duration)・減衰(decay)延長がthalamo-cortical oscillation周波数の減少を介して意識消失を来す可能性がある。 本年度の成果としては、昨年に引き続きラット視床スライスを用い、自発性IPSP/IPSCを記録した。またそれに対するハロセンの作用を検討した。 ハロセン麻酔下にラットを断頭し、リンゲル液中に固定し、肉眼的に視床周辺部のブロックを切り出した。スライサーに固定し、200-300μのスライス標本を作成した後、35℃で1時間インキュベートした。 2mM Ca,1mM Mgを含む酸素化したリンゲル液で潅流し、whole cell patch clampを行った。リンゲル液に20μM AP-V,10μM CNQX,0.5μM strychinineを添加し、GABA性spontaneous IPSCを記録した。 さらに2%ハロセンを適用しその効果を調べた。 上記の実験をそのまま継続中である。
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