2004 Fiscal Year Annual Research Report
Gap-junctionを介した象牙芽細胞複合体の生体防御機構に関する研究
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14370614
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 英治 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (20222896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 英明 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00114760)
砂川 光宏 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教授 (30179288)
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Keywords | 象牙芽細胞 / Gap junction / イオンチャンネル / 象牙細管 / transjunctional conductance / 生体防御 / electrical coupling / 象牙細管内容液の流れ |
Research Abstract |
1.Informed consentの得られた患者から、矯正的理由で健全小臼歯を便宜抜歯し、その直後に象牙芽細胞(OB)を単離した。(1)新鮮OB間およびOBとその下層細胞間には、gap junction(lucifer yellowで示されたdye coupling)を介した細胞間の結合が存在し、集合体syncitiumとして機能していることが示された。(2)この結合がelectrical couplingであることを確認した。OB-OB結合におけるtransjunctional conductance(G_j)は電気的に両細胞間で方向非依存性であったが、OB-下層細胞結合は方向依存性であった。(3)OB集合体は電気的に大細胞であるかのようにelectrical couplingを介した大きなcapacitanceを有した。(4)象牙質痛受容歯髄神経線維を興奮させる、hydrodynamicな細管内容液の動きを想定した、OB膜の機械的変形ではG_jは変化しなかった。(5)幼弱なOBでは突起の長さは成熟細胞より有意に長く、そのG_jは有意に大きかった。(6)細胞外液のpHによってG_jは変動し6.6<7.0≒7.8<7.4であった。 2.(1)ヒト抜去歯歯髄側から脱灰、健全、硬化象牙質のディスクを作製し、水力学的伝導量(L_p)を測定した後、象牙質を拡散通過するLPS量を測定した。健全歯では外向き流が拡散より優勢に働くのでLPSは歯髄内では認められなかった。(2)L_p、LPS拡散量ともに脱灰>健全>硬化象牙質の順であった。しかし、脱灰象牙質でも外向き流が存在すれば、LPSの浸透は0近くまで抑制された。また、硬化象牙質ではL_pが小さくなるので象牙質内拡散(∝R^2)も減少したが、外向きろ過率(∝R^4)がさらに減少していた。(3)非ステロイド性抗炎症薬ナプロキサンNaの象牙質浸透性を、象牙芽細胞層は抑制し、イオン導入法は促進した。
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Research Products
(6 results)