2003 Fiscal Year Annual Research Report
アーキテクチャとコンパイラの協調最適化による省電力高性能プロセッサの研究
Project/Area Number |
14380136
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 宏 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (20212102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 三久 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (60333481)
南谷 崇 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (80143684)
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Keywords | 計算機アーキテクチャ / メモリシステム / マイクロプロセッサ / コンパイル技術 / 低消費電力 / キャッシュメモリ |
Research Abstract |
本研究では「アーキテクチャとコンパイラ間の真に密な協調による設計最適化」によりメモリ階層間のデータ転送を最適化し、必要な時に必要なだけ効率よくチップ外メモリアクセスを発生させるようにすることで、半導体集積回路技術の進展を享受できる新しい高性能プロセッサを実現することを目指す。今年度はまず、メモリ階層間データ転送を最適化しチップ外メモリアクセスを最小限に抑止するコンパイラの試作を行った。これは、前年度に開発したコンパイルアルゴリズムを改良したものを実装したものであり、幾つかのSpecベンチマークに適用することでその評価も開始している。次に、提案するアーキテクチャ上で消費電力をより正確に見積もることを可能とするシミュレータの開発を行った。これは、スイッチングに起因するダイナミック電力だけでなく、リーク電流に起因する消費電力も見積もることができる。その後で、消費電力の削減手法として、前年度までに開発しているダイナミック電力だけでなく、リーク電流に起因する消費電力を低減する手法に関しても提案した。この手法は、使用しないメモリ部分の電力をオフにするものであり、達成可能な性能と削減可能な消費電力の間にはトレードオフがある。来年度以降は、リーク電流に起因する消費電力を削減する手法について、性能とのトレードオフを考慮しながら電力をオフにするべきメモリ量の最適点を見つけるアルゴリズムの開発、そのために必要となる性能とメモリ量との関係の導出をコンパイラと協調する手法の開発、を実施する予定である。
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[Publications] 藤田元信, 近藤正章, 中村宏: "ソフトウェア制御オンチップメモリ向け自動最適化コンパイラの提案"情報処理学会蹴会論購コンピューティングシステム. Vol.45, No.SIG1(ACS4). 77-87 (2004)
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[Publications] N.Sretasereekul, H.Saito, E.Kim, M.Ozcan, M.Imai, H.Nakamura, T.Nanya: "Synthesis of Serial Local Clock Controllers for Asynchronous Circuit Design"IEICE Trans.on Fundamentals, Special Issue on VLSI Design and CAD Algorithms. Vol.E-86-A, No.12. 3028-3037 (2003)
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[Publications] H.Saito, E.Kim, M.Imai, N.Sretasereekul, H.Nakamura, T.Nanya: "Control Signal Sharing Using Data-Path Delay Information at Control Data Flow Graph Descriptions"Proc.of Asynch 2003. 184-195 (2003)
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[Publications] 藤田元信, 近藤正章, 中村宏: "アーキテクチャとコンパイラによるメモリ階層協調最適化の検討"情報処理学会研究報告. 2003-ARC-154(23). 133-138 (2003)
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[Publications] 近藤正章, 藤田元信, 中村宏: "演算部とデータ供給部の動的周波数変更による低消費電力化手法の検討"情報処理学会研究報告. 2003-ARC-154(17). 97-102 (2003)