2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14380347
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安部 眞一 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90109637)
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Keywords | 精子形成 / 精原細胞 / 減数分裂開始 / アポトーシス / FSH / マイクロアレイ / stem cell factor |
Research Abstract |
精子分化過程において、体細胞分裂を行う精原細胞が一定回数の分裂後、減数分裂を開始する機構は未解決である。この問題にはホルモンやセルトリ細胞が深く関与しているが、その本質的役割は解明されていない。 我々は、これまでにイモリ精巣培養系を用いて、精原細胞の増殖と減数分裂の開始におけるホルモンとセルトリ細胞の役割を細胞生物学的、分子生物学的に解析してきた結果、減数分裂に入るかどうかのチェックポイントが精原細胞の第7世代にあるという仮説を構築した。減数分裂に入るためには、FSHによって活性化されたセルトリ細胞からアポトーシスを回避する因子が分泌され、精原細胞に働くことが必要であると考えられた。 そこで我々は、精原細胞の減数分裂開始のチェックポイント機構を明らかにすることを目的とし、チェックポイントのステ-ジでFSHの作用下に働く種々の遺伝子を単離し、その作用機構を調べることにした。 イモリ精巣のcDNA libraryのマイクロアレイを作成し、±FSH条件で器官培養した精巣から抽出したmRNAをプローブにしてスクリーニングした。その結果、分泌性タンパク質、膜貫通タンパク質など、既知のクローンを42個、未知のクローンを19個、合計61個単離した。+FSHで発現が促進されることをRT-PCRによって確認し、分泌タンパク質のうち、精原胞ステージで発現が高いクローンに注目して現在全長をクローニング中である。 アフリカツメガエル株細胞(A6)にイモリSCFを発現させ、単離したイモリ精原細胞を加えて増殖が促進されるかどうか、また精母細胞への分化が誘起されるかどうかを調べたが、増殖は促進されなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Abe, S.-I: "Control of meiosis initiation in the testis from Japanese newt, Cynops pyrrhogaster."Zool.Sci.. (in press). (2004)
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[Publications] Terada, K., Ueno, S., Yomogida, K., Imai, T., Kiyonari, H., Takeda, N., Yano, M., Abe, S.-I., Aizawa, S., Mori, M.: "Expression of Tom34 splicing isoforms in mouse testis and knockout of Tom34 in mice."J.Biochem.. 133(5). 625-631 (2003)
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[Publications] Yazawa, T., Nakayama Y., Fujimoto K., Matsuda M., Abe, K., Kitano, T., Abe, S.-I., Yamamoto, T.: "Abnormal spermatogenesis at low temperatures in the Japanese red-bellied newt, Cynops pyrrhogaster : Possible biological significance of the cessation of spermatocytogenesis"Mol.Reprod.Dev.. 66(1). 60-66 (2003)
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[Publications] Yamamoto, T., Yazawa, T., Fujimoto, K., Kitano T., Abe, S.-I.: "Low temperature promotes annexin V expression in newt testis."Zool.Sci.. 20(6). 733-735 (2003)