2003 Fiscal Year Annual Research Report
「巖谷小波日記」の翻刻と注釈による明治期の文学・文化の研究
Project/Area Number |
14510469
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Research Institution | Shirayuri College |
Principal Investigator |
猪狩 友一 白百合女子大学, 文学部, 教授 (80255934)
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Keywords | 巖谷 / 小波 / 日記 / 翻刻 / 注釈 |
Research Abstract |
平成15年度は、明治32年の「巖谷小波日記」及び同年の小波自筆「手帳」「俳句ノート」の翻刻と研究を行い、そのうち「手帳」の翻刻を「白百合女子大学言語・文学研究論集」第4号に発表した(「日記」の翻刻・注釈は、発表を予定していた「白百合女子大学児童文化研究センター研究論文集」が本年度は特別号となるため掲載できない旨の連絡があり、やむをえず次年度に延期した)。この年の小波は数え三十歳である。引き続き博文館の雑誌「少年世界」の主筆として編集に携わりながら、「少年」向けの読み物を執筆した。今回発表した「手帳」は主に7月から10月にかけて記されたもので、昔話の記録や創作メモ、日記、俳句などの下書きと思われる記載が見られ、小波の創作活動を知る上で貴重な資料である。未発表の「日記」本文には例年のように小波の事跡が1日も欠くことなく記されており、同じく未発表の「俳句ノート」には「清風亭小集」「青梅紀行」「筑波会」「紫吟社句会」「地久会」など、同年に催された句会・旅行などの記録が残されている。これらの翻刻原稿はほぼ完成しており、注釈等を付して次年度に発表の予定である。また、継続的な研究のための資料の整理、拡充も、前年度に引き続き行った。(1)パソコンによる資料の電子ファイル化、データの複数保存(バックアップ)、(2)キャビネットにファイリングすることで日記本文等(紙の資料)を整理・保存、(3)小波日記の注釈に必要なもの中心に、小波関係の図書・雑誌を収集。これらは今後の「巖谷小波日記」研究の基礎的資料として活用されるものである。
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Research Products
(2 results)