2002 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける補陀落信仰の研究―日本を中心として―
Project/Area Number |
14510476
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
神野 富一 甲南女子大学, 文学部, 教授 (10148603)
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Keywords | 補陀落 / 観音 / 常世 / 古代信仰 |
Research Abstract |
14年度後期に当該補助金を受けて以降の研究実績を以下に略述する。 1 補陀落信仰および観音信仰に関する文献の収集および研究 文献の購入、文献資料のコピー、また図書館の利用によって、補陀落信仰および観音信仰に関する文献を収集し、当該テーマおよび研究方法についての基礎的な知識を吸収するのに役立てた。特に当該テーマにかかわる従来の研究論文については、今後の研究に備えるべく、ほぼリストアップを完成した。 2 補陀落信仰に関する遺蹟地の訪問、資料収集 平成14年12月に東京・浅草寺、日光市の男体山周辺をし、知見を得るとともに、資料を収集した。特に日光の二荒山(男体山)信仰の初発について、現地踏査以降、論文を執筆中である。なお、当初予定した、補陀落渡海僧、日秀上人ゆかりの沖縄・鹿児島の現地踏査は今年度は果たせなかった。 3 「常世」観念についての研究 日本における補陀落信仰の歴史的基盤の一つと考えられる「常世」観念について、古典作品や史料における用例、また研究文献を収集した。この作業はなお継続中である。 4 日本古代における海上交通にまつわる信仰の研究 観音信仰・補陀落信仰は海上・航海の信仰に関係する一面をもつ。その海上・航海の信仰の古代の一例、「松浦佐用姫伝説」について交通の観点から考察した論文を執筆、発表した。
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Research Products
(1 results)