2004 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおける補陀落信仰の研究-日本を中心として-
Project/Area Number |
14510476
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
神野 富一 甲南女子大学, 文学部, 教授 (10148603)
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Keywords | 補陀落 / 観音 / 常世 / 古代信仰 |
Research Abstract |
今年度は主に以下の研究を行った。 1補陀落信仰および観音信仰に関する文献を収集し、研究した。 文献の購入、コピー、また各地の大学図書館や公共図書館を利用して、補陀落信仰および観音信仰に関する文献を収集し、研究に役立てた。 2補陀落信仰および観音信仰の発祥の地である南インドを訪れ、調査・研究した。 一説に経典類に説かれた補陀落であるというアガスティアマライを訪れた。また、仏教発祥の基盤となったインドの宗教文化に関する各地を訪れ、学び、若干の資料も入手した。帰国後、「アガスティアの山、コモリン岬の風」(エッセイ。未発表)をまとめた。 3各論のレベルアップをはかるとともに、本補陀洛研究の体系化を進めた。 下(11)に掲げるものを発表した外に、新しく「補陀洛信仰序説」を執筆し(未発表)、また「東アジアにおける補陀洛の成立」「補陀洛信仰の伝播」「補陀洛と竜神信仰」など十三、四本ほどの既発表・未発表の前稿を加筆訂正した。 本研究は先行の研究が少ない上に仏教学・歴史学・民俗学・国文学などの各分野に関係するため、体系化の作業がむずかしかったが、今年度はある程度それを進めることができ、研究の全体像が見えてきた。また、それにともなって各論の位置づけも明確化した。それが最大の成果である。
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Research Products
(1 results)