2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14540598
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
椎名 隆 京都府立大学, 人間環境学部, 助教授 (10206039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角山 雄一 京都大学, RI総合センター, 助手 (90314260)
山下 博史 京都府立大学, 人間環境学部, 助手 (50264750)
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Keywords | 葉緑体 / RNAポリメラーゼ / 転写 / シグマ因子 / 光 / プロモーター / 葉緑体形質転換 |
Research Abstract |
葉緑体RNAポリメラーゼ(PEP)は、葉緑体の祖先であるランソウ近縁細菌に由来するバクテリア型の酵素である。PEPは複数のサブユニットからなる複合体で、交換可能なサブユニットであるσ因子がプロモータ配列を認識する。σ因子を入れ替えることで異なったプロモータを認識することができ、バクテリアでは主要な転写制御機構の一つとなっている。バクテリアには一般に、細胞増殖に必須な遺伝子がもつσ70型プロモーターを認識する主要シグマ因子と、環境変化に応答して特定の遺伝子のプロモーターを特異的に認識する置換型シグマ因子が存在する。葉緑体σ因子にも同様な機能分担が存在するかどうかが大きな問題であった。今回、葉緑体シグマ因子遺伝子の変異体を解析することで、この問題に一定の解答を与えることができた。その結果は、以下の通りである。 1)AtSIG6遺伝子を破壊することで、PEP依存のほとんどの遺伝子の発現が減少し、葉緑体の発達遅滞がおこった。Atsig6は、葉緑体の主要シグマ因子として働いている可能性が示唆された。一方、AtSIG6遺伝子破壊の表現型は、発芽初期の子葉に限られており、少なくとももう一つの主要シグマ因子が存在する可能性がある。 2)AtSIG5遺伝子の発現を抑制することで、青色光応答プロモーターpsbD LRPからの転写が消失した。psbD LRPは特異構造をもつPEPプロモータであり。AtSig5が葉緑体の置換型σ因子として、青色光応答転写を制御している可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tsunoyama, Y., Ishizaki, Y., Morikawam K., Kobori, M., Nakahira, Y., Takeba, G., Toyoshima, Y., Shiina T.: "Blue light-induced transcription of plastid-encoded psbD gene is mediated by a nuclear-encoded transcription iitiation factor, AtSig5"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 101. 3304-3309 (2004)
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[Publications] Baba, K., Schmidt, J., Espinosa-Ruis, A., Villarejo, A., Shiina, T., Gardestrom, P., Sane, A.P., Bhalerao, R.P.: "The dual targeted organells RNA polymerase RpoT ; 2 of Arabidopsis plays a significant role in root growth and early development of plants"Plant J.. (印刷中). (2004)