2003 Fiscal Year Annual Research Report
電界勾配力を利用する電気流体力学(EHD)ポンプの研究
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14550272
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Research Institution | Hachinohe Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 正毅 八戸工業大学, 工学部, 教授 (30048194)
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Keywords | 電気流体力学(EHD) / EHDポンプ / 電界勾配力 / 作動流体R123の解離 / 作動流体流れ方向の反転 |
Research Abstract |
平成15年度の研究実施計画に対応させて1年間の研究実績の概要を述べる。 (1)内直径100μmサイズのリング対円盤電極からなるEHDポンプで電界勾配力が発現するか否かについて 内直径100μmの細管内EHDポンプ流れの撮影と流測測定に使う実験装置は、現在使用可能な可視化粒子がリング電極と細菅流路の内壁間、あるいは電極内に詰まるなどの検討結果から試作が困難と判明した。そこで前段階として、断面積1000μm×1000μmの細菅内に、これと同じ断面積で埋め込み式の長さ1cmの角筒電極と太さ200μmの銅線で試作した外直径600μmのリング電極を取付けて実験装置を製作した。ところが、この装置においても可視化粒子との整合が困難で、流れの撮影と流測測定ができなかった。微小化の前に断面積1000μm×1000μmの細菅を塩化ビニールで試作し、内に埋め込み式の角筒電極と太さ1000μmの銅線で試作した外直径3000μmのリング電極からなるEHDポンプで、電界勾配力以外に作動流体R123の解離に起因する駆動力が発現していることが分かった。 (2)微小管内EHDポンプ過渡的流れの高速度カメラによる撮影について 電界勾配力が主要な駆動力か否かを明らかにするために、同じサイズのリング電極2個からなるEHDポンプ流れを高速度カメラで観測していたところ、印加電圧の極性を固定したにもかかわらず、8kVを超える電圧で作動流体R123の流れ方向が何回か反転し、最終的にはカソードからアノード方向に流れが落ち着くという新しい現象を観測した。 (3)電極近傍の定常流れ速度分布の計測について 同サイズのリング対リング電極からなるEHDポンプ定常流れを高速度カメラで観測し、レーザ流速計のソフトを使って速度分布を得た。印加電圧8kV以下では極性を変えても、流れはアノードからカソードに向かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 佐藤 正毅, 星川 雅紀, 片 徳胤: "細管内リング対リングから成るEHDポンプのポンピング力の検討"平成16年電気学会全国大会講演論文集. 7. 87-88 (2004)
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[Publications] Masaki Sato: "Active Heat Transfer Enhancement Techniques Utilizing Electoro-Hydro-Dynamical Effect for Transportation of Solar Heat and Terrestrial Heat"Proceeding of World Sustainable Energy Days 2004. 233 (2004)
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[Publications] Masaki Sato, Hidehiko Noda, Yukio Ito: "Study on Long Solar Electro-Hydro-Dynamical Heat Pipe"TECHNICAL DIGEST of 14^<th> International Photovoltaic Science and Engineering Conference. 2. 965-966 (2004)
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[Publications] 新山清巳, 佐藤正毅, 松本芳幸: "ソーラー揚水ポンプによる農業用水管理システム"日本太陽エネルギー学会・風力エネルギー協会 太陽/風力エネルギー講演論文集. 465-467 (2003)
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[Publications] 佐藤 正毅: "電気流体力学(EHD)ヒートパイプを用いる融雪ネットワークの研究"第19回寒地技術シンポジウム 寒地技術論文・報告集. 19. 205-210 (2003)
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[Publications] 星川 雅紀, 片 徳胤, 佐藤 正毅: "EHDポンプの特性に及ぼす作動流体の影響"平成15年度電気関係学会東北支部連合大会講演論文集. 92 (2003)