2002 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン/酸化物界面およびシリコン表面の化学構造の新規評価法の開拓
Project/Area Number |
14550792
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松村 道雄 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 教授 (20107080)
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Keywords | シリコン / 酸化物 / 界面 / 表面 / 電気化学 / 評価法 |
Research Abstract |
(1)電気化学的な評価法としての測定条件の確立 n型のSiウエハ表面に酸化膜を形成し、これをフッ酸に浸して電気化学電流を計測すると、酸化被膜が溶解した直後にSi/SiO_2界面の構造変化にともなう電流が観測される。この電流を計測することによる、Si/SiO_2界面構造の新規な評価法の確立を目指した。フッ酸の濃度が低いと、中間種の化学反応により異常に大きな電流が流れる。また、濃すぎるとSiの溶解による電流が生じ、計測が難しくなる。いろいろな条件を調べ、1%フッ酸に少量の界面活性剤を加えた溶液によって高精度の計測が可能となった。 (2)種々の条件で作製したSi/SiO_2界面構造試料についての電気化学計測 研究室で自作した試料を用いて計測を行うと、試料ごとに異なる結果を示した。これは電気化学計測法がSi/SiO_2界面構造に対して、極めて敏感に応答することを示している。しかし、評価のターゲットを今日のLSI素子のレベルを置くことの方が有意義であると判断し、高度な製造設備を保有している外部の研究所にサンプル作製を委託した。それにより、このようなレベルの素子についても計測法の有効性が確認された。 (3)異なる面方位の基板上に作製したSi/SiO_2界面構造についての電気科学計測 異なる面方位のSiウエハについて電気化学計測を行うと、観測される界面由来の電流の電気量が、方位角に対して連続的に大きな変化を示すことがわかった。これは面方位によりSi/SiO_2界面構造が変化することを初めて明瞭に示した結果である。現在その詳細についての解析を行っている。 (4)電気化学的な酸化膜の形成 MOSデバイスに用いられる酸化膜の薄膜化が進み、電気化学的な酸化膜への関心も高まっている。表面を原子レベルで平坦化したSiウエハを用いて、電気化学的な初期酸化過程を調べた。その結果、表面から3原子層程度まで、はぼ一層ずつに酸化が進行することが明らかになった。(J. Electrochem. Soc. 誌に投稿中。)
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