2002 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ節の機能的構築に果たすstromal cell及び濾胞樹状細胞の役割
Project/Area Number |
14570007
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
吉田 淑子 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (00171421)
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Keywords | 胚中心 / IL-2 receptor g chain / Knockout / mouse / stromal cell / 濾胞樹状細胞(FDC) / FDC-M1 / リンパ節 |
Research Abstract |
本研究では、体表リンパ節の形成不全、あるいは消失があるにも関わらず、深部リンパ節である腸管膜リンパ節が残存するIL-2receptor γ chain knockout (IL-2R KO) mouseを用い、液性免疫の中心である胚中心(GMC)の構築および構成成分であるstromal cellや他の細胞の分化、成熟の機構をcytokineのligandやそのreceptorとの関与から明確にすることを目的とした。材料はIL-2R KO mouseのリンパ節、脾臓、胸腺、骨髄を用いた。M0MA-1,M0MA-2,TCR-βchain, CD45R, MIDC-8,FDC-M1,FDC-M2などの抗体で免疫組織化学を施し、微細構造について電子顕微鏡により観察した。その結果、IL-2R KO mouseの腸管膜リンパ節は存在するものの、機能的な分化(T細胞領域、B細胞領域など)区分が不明瞭で、stromal cellの存在が顕著であった。IL-2 receptor γ chainからのシグナルはT細胞の分化よりもB細胞の分化に不可欠なものであること、T細胞領域に存在するMIDC-8陽性のdendritic cellへの分化には影響しないことが明らかとなった。また、リンパ節内にFDC-M1陽性の細胞が存在し(FDC-M1は成熟のみならず、未成熟の濾胞樹状細胞; FDCをも認識する)、能動免疫を行ったIL-2R KO mouseのリンパ節に電子顕微鏡で抗原抗体複合体を結合する細胞が存在することが確認された。B細胞がほとんど存在せず、機能的な区分が不明瞭なリンパ節内にFDCの前駆体(未熟な)が存在したことは、B細胞の存在がFDCの分化の初期よりも成熟に重要であることを示唆すると考えられた。FDCの前駆体とstroml cellとの関係についてさらに検討する予定である。 以上について現在、論文を作成中である。
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