2002 Fiscal Year Annual Research Report
γ-チューブリン様新規タンパク質の三次元局在・分子解析
Project/Area Number |
14570014
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
洲崎 悦子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (10274052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 勝子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30034002)
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Keywords | γ-チューブリン / 微小管 / 細胞間接着分子 / 3細胞ジャンクション / 三次元構造解析 / 免疫蛍光染色 / 免疫電顕 |
Research Abstract |
細胞の形や極性が維持されることは、その細胞の機能や生存にとって必須であり、微小管を中心とした細胞内骨格系が重要な役割を果たしている。その微小管を形成する中心の組織を構築している細胞における局在・分子構造・機能メカニズムは依然解明されるべき問題が多い。私達はこれまで、微小管形成中心に存在することの知られるγ-チューブリンに着目をして免疫蛍光染色によりその局在を明らかにすることを試みてきた。その過程で、分裂酵母のγ-チューブリンに対して作製された抗体(G9)が、2細胞間ではなく3つの細胞の出会うジャンクションを特異的に染色することを見出し、γ-チューブリン様新規細胞間接着分子を探求していくことを開始した。 共焦点レーザー走査顕微鏡を用いてG9で染色される構造を三次元解析したところ、2細胞間にも多少の染色は観察されるが、3細胞の出会うジャンクションが特に強く染色されることが確認された。3細胞間であっても細胞底部の高さでは染色は観察されず、細胞中部から特に頂部が強く染色され、また、2細胞間の結合分子として知られるE-カドヘリンとは明らかに異なる局在であることもわかった。免疫電顕も行ったところ、3細胞のジャンクションにおいて細胞膜直下と細胞間にγ-チューブリン抗体のラベルが観察され、これまでの結果をさらに裏付けることができた。しかし、γ-チューブリンで問題になることの多い非特異的な染色がかなり見られるため、今後も引き続き検討を続ける。 さらに興味深い発見として、微小管の保持が悪い試料ではG9の染色が激減することも明らかになった。このことは、γ-チューブリン様3細胞間接着分子が本来の局在を保つためには、構築された微小管からなる細胞骨格が必要であることを意味しており、この接着分子の裏打ちをする線維は微小管であることが示唆された。 来年度はさらに、G9が結合する分子そのものの解析を進める。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] X.Jiang, E.Suzaki, K.Kataoka: "Immunofluorescence detection of gastrid H^+/K^+-ATPase and its alterations as related to acid secretion"Histochemistry and Cell Biology. 117・1. 21-27 (2002)
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[Publications] A.Takagi, M.Kimura, E.Suzaki, Ryuji Nomura, K.Kataoka: "The Morphological Study of the Muscle Spindle in the EDL Muscle from Three Normal Pigs"The Niigata Journal of Health and Welfare. 2・1. 63-66 (2002)
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[Publications] 洲崎悦子, 野村隆士, 齊藤育, 峰雪芳宣, 堀尾哲也, 片岡勝子: "マウス十二指腸におけるγ-チューブリンの局在"バイオイメージング. 11・3. 189-190 (2002)
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[Publications] A.Saito, E.Suzaki, K.Kataoka, T.Suzaki 他5名: "Gliding movement in Peranema trichophorum is powered by flagellar surface motility"Cell Motility and the Cytoskeleton. (in press).