2003 Fiscal Year Annual Research Report
γ-チューブリン様新規タンパク質の三次元局在・分子解析
Project/Area Number |
14570014
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
洲崎 悦子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (10274052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 勝子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30034002)
齊藤 育 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80346486)
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Keywords | γ-チューブリン / 微小管 / 細胞間接着分子 / 3細胞間ジャンクション / 三次元構造解析 / プロテオーム解析 / NOXO1 / 免疫電顕 |
Research Abstract |
昨年度の研究から、マウス十二指腸の標本において抗γ-チューブリン抗体G9が認識している分子は、吸収上皮細胞の3細胞間のジャンクションに存在するという新規タンパク質であることが示唆された。一方、インタクトな微小管の保持が良好ではない標本では、このG9の3細胞間に見られた染色が消失することから、この分子の3細胞間ジャンクションへの会合は微小管に依存している可能性も示唆された。 そこで今年度は、免疫電顕を行ってさらに詳細な局在の解析を試みた。その結果、3つの吸収上皮細胞が出会うジャンクション近傍に抗α-tubulin抗体のラベルが観察されるとともに、抗γ-tubulin抗体やG9のラベルが観察され、3細胞間ジャンクションに特異的な分子が微小管と何らかの関係をもって存在することを支持するものであった。さらに、G9が認識している分子を追求するために二次元電気泳動によるプロテオーム解析を試みた。この際、G9と市販の抗γ-チューブリン抗体2種(シグマ社マウスモノクローナル抗体とウサギ抗体)を用いたブロッティングを行なうことにより、G9のみが認識するタンパク質スポットを割り出すことを試みた。その結果、5つの候補スポットを得ることができたが、タンパク質量や分子量の妥当性から、PMF(peptide-MASS-fingerprint)解析へと適応できるスポットはその中の1つに限られた。このスポットについて解析を進めた結果、G9が認識しているタンパク質は2003年に新規c-DNAが同定されたNOXO1(NADPH-oxidase organizer 1)である可能性が示された。NOXO1がジャンクション形成分子であるかどうかは今のところ不明であるが、十二指腸にも発現が認められている分子であり、NADPH-oxidaseが細胞膜に存在する酵素であることを考えると、NOXO1も細胞膜近傍に存在すると考えられる。詳細を明らかにするにはさらなる研究を進める必要があるが、本科研で予定していた研究はほぼ遂行できたと思っている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] E.Suzaki, T.Suzaki, K.Kataoka: "Use of Taxol and collagenase for better three-dimensional visualization of microtubules in the enterocyte and Brunner's gland cell, with special reference to their relation to the Golgi apparatus"Journal of Electron Microscopy. 53(1)(in press). (2004)