2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトミトコンドリア融合因子を用いたミトコンドリア標的リポソームの研究
Project/Area Number |
14570129
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 仁司 自治医科大学, 医学部, 講師 (50221817)
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Keywords | ミトコンドリア / リポソーム / 遺伝子治療 / プロテオリポソーム / 膜融合 / ミトコンドリア形態形成 / ミトコンドリア膜 / GTP結合タンパク質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ミトコンドリア遺伝子異常に基づくミトコンドリア病の遺伝子治療法の基礎的研究として、ミトコンドリアを特異的に標的するリポソームベクターを開発することである。具体的には、ミトコンドリア融合促進因子の最小機能ドメインを決定し、これを蛋白合成し、本蛋白を有効構成成分とするプロテオリポソームを作製する。このプロテオリポソームがミトコンドリア膜を特異的に認織し、かつミトコンドリア膜と接着・融合するかを試験管内および細胞内にて検討する。 本年度は、まずミトコンドリアの凝集および融合を支配する蛋白の機能ドメインの解析を行った。ミトコンドリア融合を促進するヒトタンパク質(hFzo)の欠失変異体をHeLa細胞に発現させ、ミトコンドリアの凝集・融合活性を共焦点レーザー顕微鏡で検討したところ、アミノ末端のGTP結合ドメインは活性調節領域であり、カルボキシル末端領域がミトコンドリア融合活性を持づ領域であった。本領域は各々394および389のアミノ酸長を有し、アミノ末端からコイルドコイルドメイン、二つの膜貫通ドメイン、コイルドコイルドメインのドメイン構造を有する。本領域をコードするcDNAを、原核生物発現用ベクターに組み込み、大腸菌を用いて大量産生を施行した。精製した本蛋白を大豆リン脂質に組み込んだプロテオリポソームを作製した。本タンパク質は膜蛋自であることがin vitroで示された。今後、本プロテオリポソーム同士が膜融合活性を、テルビウム(Tb)とジピコリン酸(DPA)を用いた蛍光強度の測定により、試験管内で検証する。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Jin, Y.: "A vertebrate RNA-binding protein Fox-1 regulates tissue-specific splicing via the pentanucleotide GCAUG"EMBO J. 22. 905-912 (2003)
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[Publications] Satoh, M.: "Differential sublocalization of the dynamin-related protein DPA1 isoforms in mitochondria"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 300. 482-493 (2003)
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[Publications] Tamada, H.: "cDNA cloning and characterization of Drb1, a new member of RRM-type neural RNA-binding protein"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 297. 96-104 (2002)
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[Publications] Furukawa, Y.: "Apaf-1 is a mediator of E2F-1-induced apoptosis"J.Biol.Chem.. 277. 39760-39768 (2002)
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[Publications] Hayakawa, M.: "Muscle-specific exonic splicing silencer for exon exclusion in human ATP synthase γ-subunit pre-mRNA"J.Biol.Chem.. 277. 6974-6984 (2002)
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[Publications] Kirito, K.: "TPO regulates Bcl-xL gene expression through Stat5 and phosphatidylinositol-3-kinase activation pathways"J.Biol.Chem.. 277. 8329-8337 (2002)
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[Publications] 遠藤 仁司: "分子生物学 イラストレイテッド 改訂第2版"田村隆明,山本雅編 羊士社. 380 (2003)