2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルペスウイルス潜伏感染の機序と移植後の再活性化に関する基礎的検討
Project/Area Number |
14571159
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田中 和生 東海大学, 医学部, 助教授 (50236569)
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Keywords | サイトメガロウイルス / リアルタイムPCR / 感染免疫 / MHC / 抗原4量体 / メモリー細胞 |
Research Abstract |
1.リアルタイム定量PCR (Rt-PCR)による種々の臓器でのウイルス価の定量、潜伏感染の時期の決定 6週齢のBALB/c雌マウスにマウスCMV (MCMV)を0.2LD50腹腔内に接種し、感染1、2、4週、3ヶ月、6、9、12ヶ月後に肺、脾臓、唾液腺、腎臓を採取し、DNAを抽出し、リアルタイム(Rt)-PCR法(TaqMan法)にてMCMVゲノム量を定量した。Rt-PCRの増幅領域としてはImmediate Early (IE)とした。コピー数の基準には全IE領域を含むプラズミドであるpIEIIIを用いて、検量線を得た。その結果、以下のことを明らかにした。 (1)検出感度は10copies/organであり、従来のPCR法の検出感度の約1000倍であった。 (2)唾液腺でのウイルス価は感染2週後に7.9x10^8とピーク値を示した。その後、唾液腺でのウイルス価は急激に減少し、感染4週目では検出限界以下になっていた。一方、肺では感染1週目に5.9x10^7コピーのMCMVが存在し、その後漸減するものの感染4週目でも8.3x10^4コピーのMCMVが検出された。感染4週目の時点でウイルスが検出された臓器は肺のみであった。その後、肺では感染9ヶ月目までウイルスが検出された。しかし、感染12ヶ月ではウイルスは検出限界以下であった。 2.肺におけるIFN-γ産生細胞及びMHC/抗原ペプチド4量体によるMCMV特異的T細胞の検出 上記よりMCMVの潜伏/持続感染臓器として肺が考えられた。そこで、肺におけるMCMV特異的T細胞の割合を調べる目的で、MCMV (0.2LD50)を腹腔内に接種し、経時的に肺を採取し、浸潤リンパ球を分離した。 (1)肺リンパ球を試験管内で抗CD3抗体で刺激し、IFN-γ産生細胞の割合をフローサイトメトリーにて調べた。その結果、感染0、1、3、6、9ヶ月後におけるリンパ球分画におけるIFN-産生細胞の割合は平均はそれぞれ(n=7-8)0.6%、5.9%、6.8%、9.1%、10.9%であった。 (2)フローサイトメトリーにてこのIFN-産生細胞の表面マーカーを調べたところCD8陽性であった。 (3)既に報告されているMCMVにおけるキラーT細胞のシークエンスを基にMHC (H-2L)/抗原ペプチド4量体を作成した。その結果、上記のIFN-γ産生、CD8陽性細胞はMCMVのIE抗原を認識するキラーT細胞であることがわかった。 3.以上から、平成14年度は以下のことを明らかにした。 (1)CMV排除後も抗CMV特異的T細胞は長期に渡って残存する。 (2)従って、このメモリー型特異的T細胞の維持にはCMV抗原は必要ではないものと考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kazuo Tanaka: "Immuosuppressive Agents and Cytomegalovirus Infection"Archivum Immunologiae et Therapiae Experimentalis. (in press). (2003)
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[Publications] 田中和生 (分担): "医学大辞典(第19版)"南山堂(印刷中).