2003 Fiscal Year Annual Research Report
凍結保存同種弁・血管の生着率向上に関する実験的検討
Project/Area Number |
14571258
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 稔 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (40270871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 昇 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40332580)
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Keywords | ホモグラフト / 凍結保存 / 大動脈移植 |
Research Abstract |
使用グラフト;凍結グラブトは、Lewis雄(6〜7w,180〜200g)より心拍動下または心停止直後に胸部大動脈を摘出し、プログラムフリーザーを用いて凍結した後、液体窒素タンク内(気相-130℃)に1週間保存した。新鮮グラフトは、上述と同様にLewis雄より採取した胸部大動脈を1時間以内に使用した。なお、採取直後の大動脈は一部を2.5%グルタルアルデヒドおよび10%ホルマリンで固定し病理用検体とした。 血管移植術:レシピエントはLewis雄(7〜8w,200〜220g)、Brown Norway雄(7〜8w,180〜200g)。腹部大動脈を腎動脈下で剥離し、9-0ナイロン糸を用いて端端吻合によりグラフトを移植した。なお、凍結グラフトは急速解凍した後、一部を前述同様に病理検体として採取した。 グラフト摘出:移植後1週間後および4週間後に摘出した。現在までに移植を計20組に施行した(Lew-Lew,凍結:7、Lew-Lew,新鮮:5、Lew-BN,凍結:4、Lew-BN,新鮮:4)。今後総計60組を目標とする。なお検体は、HE・Azan・EVG染色にて観察中である。またFactorVIII・CD83・CD32・VCAM-1・P-selectin・Ia antigenなどによる免疫染色を進めている。グルタルアルデヒドにて固定した検体は走査・透過電子顕微鏡で今後観察予定である。 ヒト凍結グラフトについては、ドナーより摘出時・抗生剤処理後・解凍時、またレシピエントから摘出時において承諾が得られた範囲で検体を採取した。採取臓器は大動脈壁・三尖弁・僧帽弁・大伏在静脈とし、走査・透過型電子顕微鏡にて観察した。現在までの観察で、脈管系のグラフトでは経時的な内皮脱落が進行していることが確認できている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Saitoh A, et al.: "Early Valvular Obliteration of Cryopreserved Aortic Valve Allograft"Japanese Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery. 51・8. 384-386 (2003)
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[Publications] 村上 新: "先天性心疾患の手術療法の進歩:弁付き大伏在静脈・大腿静脈アログラフトを用いた新生児期重症先天性心疾患の外来治療"医学のあゆみ. 206・9. 618-621 (2003)
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[Publications] 本村 昇, 小野 稔, 高本眞一: "組織移植(心臓弁・血管)の現状"成人病と生活習慣病. 33・1. 106-108 (2003)
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[Publications] 本村 昇, 村上 新, 高本眞一: "小児心臓外科領域におけるホモグラフトの適応と限界"Annual Review循環器2003. 242-245 (2003)