2002 Fiscal Year Annual Research Report
標的分子の発現制御によるグリオーマ浸潤に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
14571314
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
大西 丘倫 愛媛大学, 医学部, 教授 (70233210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 広信 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (20335897)
中川 晃 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50155678)
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Keywords | グリオーマ / 腫瘍浸潤 / ラミニン-8 / アンチセンス |
Research Abstract |
悪性グリオーマの浸潤メカニズムを解明し、新規の抗浸潤療法を確立するため、腫瘍浸潤と血管新生に関与する新しい因子として最近報告されてきているlaminin-8に関する研究を行った。laminin-8のグリオーマでの発現、腫瘍浸潤への影響、アンチセンスを用いたlaminin-8発現抑制による浸潤、増殖への影響について検討した。ヒトグリオーマ細胞株、ならびにヒトグリオーマ組織において、laminin-8(α4 subunit)は、RNAレベル、蛋白レベルともに種々の程度の発現していた。また、グリオーマ細胞では、laminin-8の発現程度に応じて腫瘍細胞の運動能とともに浸潤度が増大した。つぎに、α4 subuitに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(モルフォリノオリゴ、26Mer)を作成し、グリオーマ細胞にEPEI法にて導入した。α4アンチセンスは導入されたグリオーマ細胞の増殖には影響を与えず、著明にlaminin-8の発現を抑制した。また、α4アンチセンスの導入はin vitroでのグリオーマ浸潤を非導入と比べ、約90%抑制した。今後、大脳スライス浸潤モデルを用いてlaminin-8による浸潤メカニズムの解析を行う予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Harada H, Nakagawa K, Ohnishi T, et al.: "Introduction of wild-type p53 enhances thrombospondin-1 expression in human glioma cells"Cancer Letter. 191. 109-119 (2003)
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[Publications] 大西丘倫: "アンチセンス核酸を用いた悪性脳腫瘍の放射線治療"遺伝子医学. 6. 31-35 (2002)
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[Publications] 中川晃, 原田広信, 大西丘倫: "ポストシークエンス時代における脳腫瘍の研究と治療"九州大学出版会. 173-177 (2002)