2005 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠時のインスリン抵抗性惹起因子の同定:脂肪組織の関与
Project/Area Number |
14571554
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
杉山 隆 三重大学, 医学部附属病院, 助教授 (10263005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 秀人 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (70332715)
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Keywords | インスリン抵抗性 / 妊娠 / アデイポネクチン / 脂肪 |
Research Abstract |
妊娠後半期においてヒトおよび齧歯類においてインスリン抵抗性の生じることは明らかとなっているが、その機序については依然解明されていない。本研究では妊娠時のインスリン抵抗性に関与する因子を同定することが目的である。最近2型糖尿病や肥満のインスリン抵抗性に関与する因子がいくつか同定されており、その中でもアデイポネクチンの低下がインスリン抵抗性に関与することが報告されている。今回我々は、妊娠マウスを用いてアデイポネクチンの遺伝子発現と血中レベルを検討した結果、妊娠末期に本遺伝子発現および血中のレベルの低下を明らかにすることができた。すなわち、非妊娠マウスを対照とした場合、妊娠15および18日目において、血中アデイポネクチン値および腹腔内脂肪組織におけるアデイポネクチンmRNAレベルの低下を認めた。また脂肪細胞の大きさは妊娠末期において初期よりも大ききなることも証明し、肥満や2型糖尿病の際の病態に類似することが判明した。すなわち本結果は妊娠末期のインスリン抵抗性の機序にアデイポネクチンの発現低下が関与する可能性を示唆するものである。本結果をまとめて論文を作成し、論文発表した。 また現在マイクロアレイを用いて妊娠時に変化する遺伝子群を解析中である。昨年、人員の減少により実験を行う時間が制限されたが、今後、妊娠末期においてアデイポネクチン遺伝子の発現調節因子を調べるために、in vivoおよびin vitroで各種妊娠性ホルモンの影響を検討したい。さらに遺伝子発現調節の機序を調べるために、培養細胞を用いてレポーターアッセイも行い、アデイポネクチン遺伝子調節の機序につき検討したい。
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