2004 Fiscal Year Annual Research Report
卵巣癌に対するtamoxifen(TAM)の効果と作用メカニズムの検討
Project/Area Number |
14571595
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
杉山 徹 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40162903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井筒 俊彦 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00103739)
吉崎 陽 岩手医科大学, 医学部, 講師 (40200969)
庄子 忠宏 岩手医科大学, 医学部, 助手 (00337148)
大田 俊一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (40289476)
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Keywords | Ovarian Cancer / tamoxifen / cell cycle / apoptosis / rat / Estrogen receptor |
Research Abstract |
(目的)ホルモンレセプターを有さないDMBA誘発ラット卵巣癌を用いて抗エストロゲン剤であるtamoxifen(TAM)の抗腫瘍効果について用量別に実験を追加検討した。(方法)Wistar系雌ラット原発卵巣癌を同系幼若ラットの背部皮下移植腫瘍を用いてTAM投与実験を行なった。腫瘍体積が約100mm3に達した担癌ラット28匹を3群に分けた(対照群、TAM 1.0mg/kg投与群、TAM 2.0mg/kg)。14日間連日投与(対照群はオイルのみ)を行い、1週ごとに腫瘍径を測定し、15日目にと殺して腫瘍を摘出した(-80度で凍結保存)。1)腫瘍増殖率、2)Laser Scanning Cytometerによる核DNA量分析、3)TUNEL法にて各細胞周期に占めるapoptosis細胞の比率を比較検討した。(結果)腫瘍増殖率の変化は,コントロール群、TAM投与群による有意な変化は認めなかった.核DNA量の検討ではG0+G1期細胞,G2+M期細胞,S期細胞はコントロール群と比較して有意な変化は見られなかったが、各細胞周期に占めるapoptosis細胞の比率は,濃度依存性に増加傾向を示し、コントロール群の2.1±0.7%に比較し,TAM2.0mg/kg投与群では9.0±1.5%と有意に増加していた(P<0.05)(考察)本研究により、TAMはS期のDNA合成を抑制し、細胞周期をG0+G1期で停止させ、growth fractionの低下を促進し、さらに用量依存的にアポトーシスを誘導することを明らかにした。以上、卵巣癌に対し、TAMはホルモンレセプターを介さない経路で抗腫瘍効果を発揮することをin vivoで示し、臨床的に投与量を工夫することでSalvage therapyとして有用であることが示唆された。さらに、現在進めているアポトーシス誘導経路の解析に加え、低コスト、低毒性であり、臨床試験としての検討する価値がある。
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Research Products
(15 results)