2002 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部領域のリンパ管構築 -ヒト成体および胎児での検索-
Project/Area Number |
14571741
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
藤村 朗 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (80173459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 得二 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (00103747)
小野寺 政雄 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10326689)
野坂 洋一郎 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (60048379)
奈良 栄介 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (10275571)
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Keywords | リンパ管 / 構築 / 舌 / 腫瘍 / 転移 / リンパ節 / 血管新生阻害剤 / TNP-470 |
Research Abstract |
臓器別のリンパ管構築を明らかにし、各臓器から所属リンパ節への詳細な経路をヒト成体およびその経路の発生における形成機序を明らかにするため、手法の基礎データとして齧歯の舌におけるリンパ管構築を詳細に検討した。さらに、腫瘍の増殖および転移に関連する腫瘍周囲リンパ管構築の変動を観察し、腫瘍増殖抑制を目的とした血管新生阻害剤投与によるリンパ管構築の変動連続切片三次元再構築法とリンパ管染色(5'-Nase染色法)を組み合わせた方法を開発した。その結果、舌には集合リンパ管として、上縦舌筋下集合リンパ管、舌深動脈伴行集合リンパ管、垂直舌筋伴行集合リンパ管、横舌筋伴行集合リンパ管が存在し、各内舌筋の内筋周膜内に盲端を形成した毛細リンパ管が侵入していた。舌に易転移性の腫瘍細胞を移植し、腫瘍の増殖に伴うリンパ管の動態では腫瘍辺縁から約500μmのも負う際リンパ管および集合リンパ管は消失し、さらに外側に位置する拡張した集合リンパ管から樹枝状の方向性を持たない毛細リンパ管が多数新生していた。さらに、血管新生阻害剤を投与することにより、この新生毛細リンパ管は数が減少していたことから、血管新生阻害剤TNP-470は毛細血管新生を抑制するのみならず、毛細リンパ管の新生をも抑制することが判明した。血管新生阻害剤投与により腫瘍の所属リンパ節転移が抑制されていることから、腫瘍周囲の毛細リンパ管の数の減少がリンパ節転移の抑制と関連性が高いことが推測された。今後は、ヒトの成体および胎児の頭頸部、特に舌のリンパ管構築を詳細に検索し、齧歯類との種差および抗腫瘍剤のリンパ管経由の投与法を検索する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A.Fujimura, et al.: "Three dimensional architecture of lymphatic vessels in the tongue"LYMPHOLOGY. 36(In Press). (2003)
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[Publications] S.Seki, A.Fujimiura: "Three dimensional changes in lymphatic architecture around VX2 tongue cancer. -Dynamics in growth of cancer-"LYMPHOLOGY. 36(In Press). (2003)
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[Publications] S.Seki, A.Fujimiura: "Three dimensional changes in lymphatic architecture around VX2 tongue cancer. -Dynamics by administration of antiangiogenic agent-"LYMPHOLOGY. 36(In Press). (2003)