2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14572101
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
秋久 俊博 日本大学, 理工学部, 教授 (30060213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安川 憲 日本大学, 薬学部, 助教授 (00130625)
徳田 晴邦 京都府立医科大学, 生化学教室, 助手 (60111960)
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Keywords | 紅麹 / 食用色素 / アザフィロイド類色素 / フラノソフタライド類色素 / がん予防物質 / 抗発がんプロモーター / EBV-EA発現抑制物質 / TPA誘発マウス耳殻炎症抑制物質 |
Research Abstract |
1.紅麹成分の抽出・分画・単離および構造決定(秋久担当) 紅麹菌Monascus pilosus IFO 4520を精白米上で培養して生産した紅麹粉末を70%EtOHおよび塩酸酸性MeOHで抽出した。70%EtOHエキスはEtOAc画分、BuOH画分、およびH_2O画分に分画した。70%EtOHエキスEtOAc画分より、アザフィロノイド類色素であるMonascin(1),Ankaflavin(2),Rubropunctatin(3),Monascorubrin(4),Rubropunctamine(5)およびMonascorubramine(6)を単離した。一方、塩酸酸性MeOHエキスよりフラノイソフタライド類色素であるXanthomonascinA(7)およびXanthomonascinB(8)を単離した。 2.紅麹成分の抗発がんプロモーター活性の一次スクリーニング検定(徳田、安川担当) (1)Epstein-Barrウイルス早期抗原(EBV-EA)発現の抑制効果:化合物(1),(2),(5)〜(8)の6種こついてEBV-EA発現抑制検定を行い、化合物(1)と(5)に参照化合物のβ-Caroteneを上回る顕著な活性を認めた。 (2)マウス耳殻におけるTPA誘発炎症抑制効果:化合物(1),(2),(4)〜(8)の7種について炎症誘発抑制検定を行い、5種のアザフィロノイド類(1),(2),(4)〜(6)に合成消炎剤であるIntomethacinに匹敵する顕著な活性を認めた。 3.マウス皮膚二段階発がん検定(徳田担当) 上述の一次スクリーニング検定で顕著な活性を認めた化合物のうち、(1)を飲用させ、Peroxinitrite/TPA系を用いたマウス皮膚二段階発がん検定を行っている。現在8週目であり、陽性コントロールでは6.6%のマウスに腫瘍の発生が認められているが、検体(1)処理群には認められず、(1)の発がん予防効果が示唆されている。 4.学会発表 本研究の途中経過は第7回日本フードファクター学会(2002年11月15日〜16日;静岡県立大学)にて発表した。
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