2002 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患患者の家族のマネージメント力を測定するスケールの開発と実践への活用
Project/Area Number |
14572250
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
長戸 和子 高知女子大学, 看護学部, 助教授 (30210107)
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Keywords | 家族のマネージメント力 / 慢性疾患患者の家族 / 家族看護 / スケール |
Research Abstract |
本研究は、病者を抱えた家族が、家族生活を再構築し維持していくための力として「家族のマネージメント力」に焦点を当て、その育成、強化、活用という視点から家族を支援する際の指標となるような測定道具を開発し、家族への看護援助に資することを目的としている。この研究目的を受け、本年度は、「慢性疾患患者の家族のマネージメント力」を測定する質問紙を開発し、その内容妥当性・表面妥当性の検討と予備調査を行った。 慢性疾患患者とその家族に関する既存の研究や文献、マネージメントに関する既存の研究や文献から、「マネージメント力」の要素を抽出し、分類・統合を行い、構成要素を導き出した。各構成要素について質問項目を作成し、表面妥当性の検討を繰り返して洗練化していった。量的研究のエキスパート1名に内容妥当性の検討を依頼し、マネージメント力の構成要素を9つ共有する力・方向づける力・準備性を維持する力・補い合う力・志気を高める力・方法を獲得する力・現状を変革する力・家族を護る力・安定させる力)に修正し、さらに表面妥当性の検討を重ねて質問項目数を絞った。次に、5段階リッカート尺度の質問紙を作成し、臨床経験3年以上で慢性疾患患者とその家族への看護経験のある看護者7名に依頼して予備調査を行い、項目分析を行って項目を修正・削除した。さらに実際に慢性疾患患者と生活している看護者10名を対象に予備調査を行い、回答の項目分析を行って質問項目数を絞った。そして、修士以上を有する研究者13名に依頼して内容妥当性の検討を行い、76項目の質問項目に絞った。 来年度は、この76項目版の質問紙を用いて、外来通院中慢性疾患患者の家族20名を対象とした予備調査を実施し、項目分析を行ってさらに質問項目を50項目程度に絞ったのち、外来通院中の慢性疾患患者の家族300名を対象とした本調査を行い、質問紙の信頼性・妥当性を検討する予定である。
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