2004 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患患者の家族のマネージメント力を測定するスケールの開発と実践への活用
Project/Area Number |
14572250
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
長戸 和子 高知女子大学, 看護学部, 助教授 (30210107)
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Keywords | 家族のマネージメント力 / 慢性疾患患者の家族 / 家族看護 / スケール |
Research Abstract |
本研究は、病者を抱えた家族が、家族生活を再構築し維持していくための力として「家族のマネージメント力」に焦点を当て、その育成、強化、活用という視点から家族を支援する際の指標となるような測定道具を開発し、家族への看護援助に資することを目的としている。この研究目的を受け、本年度は、「慢性疾患患者の家族のマネージメント力測定スケール57項目版」を作成し、慢性疾患患者の家族300名を対象として調査を行い、その信頼性・妥当性を検討すること、さらに看護者が家族のマネージメント力をアセスメントするためのアセスメント・スケールを作成して実践で活用することを目指して研究を行った。 作成した57項目版の測定スケールについて、慢性疾患患者の家族344名からの回答が得られ、統計的な検討の結果、一定の信頼性と妥当性があることが示され、「家族のマネージメント力」の構成要素9つが明らかになった。ついで、これらの構成要素を中心として、家族のマネージメント力をアセスメントするアセスメント・スケール(50項目)を作成し、臨床で慢性疾患患者とその家族への看護ケアに携わっている看護者10名に実際に活用してもらい、フォーカス・グループ法によって、スケールの妥当性や実践における有用性についての評価を受けた。その結果、項目数の削減(40項目)と表現の修正を行い、看護者が「うまくマネージメントできている家族」あるいは「マネージメントができていない家族」と評価する家族各10組に用い、判別力がどの程度あるかを統計的に検討した。しかし、実際に評価対象とした家族数が少なく、実践で活用可能なスケールとするためには、対象者数を増やして検討することが必要である。
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