2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580295
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Research Institution | Naruto University of Tokushima |
Principal Investigator |
島田 恭仁 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90178955)
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Keywords | 学習障害 / 読み指導 / 認知的方略訓練 / 関係処理 / 項目特定処理 |
Research Abstract |
科研費交付の2年目にあたる平成15年度には,LD及びそれに類似する問題を持つ児童7名の教育相談を受理した。 これらの児童に対して各種心理検査(WISC-III・K-ABC・TOM・標準読書力診断検査,等)を施行し,さらに,生育歴の確認および行動観察の結果に基づいて教育的判断を行なったところ,言語性LD(2名)・非言語性LD(1名)・知的障害との境界例(1名)・知的障害との重複事例(1名)・広汎性発達障害(1名)・情緒的問題による学業不振(1名)という結果であった。但し,知的障害と関連する事例においても,LDに類似する問題が認められた。 これらの児童の内,A児(知的障害との境界例)・B児(言語性LD)・C児(知的障害との重複事例)・D児(非言語性LD)の4名については,詳細な心理学的アセスメントを実施し,個別の教育的ニーズの把握と,認知的な関係処理機能の問題についての実態把握を行った。 さらに,特にA児とB児の2名には,関係処理と項目特定処理の相補作用を促す読み指導を適用し,指導経過についての分析と検討を行なった。但しA児に関しては,前年度に主な指導を実施していたため,今年度はフォローアップを中心に行なうことにした。またB児に関しては,今年度より指導を開始し,原則として隔週ごとに1回(約90分間)の指導を,1学期から2学期にかけての9ヶ月間,継続的に実施することにした。 アセスメントの結果から,LD及びそれに類似する問題を持つ児童は,関係処理を促しても再生の促進が生じにくいという,関係処理機能の制御困難を持つ事が確かめられた。さらに,指導過程の分析からは,関係処理と項目特定処理の相補作用を促す指導が,読みの技能の改善に役立つことが示唆された。
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Research Products
(1 results)