2002 Fiscal Year Annual Research Report
都市道路空間画像における車両と歩行者を協調させた追跡・状況認識技術の開発
Project/Area Number |
14580407
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上條 俊介 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70334357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂内 正夫 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30107370)
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Keywords | 時空間MRFモデル / トラッキング / 歩行者 / 車両 / 交差点 / 低画角画像 / バイアフリー / 高度交通システム(ITS) |
Research Abstract |
これからの都市道路環境にとっては、車両と歩行者(交通弱者)の両者にとって安全かつ効率の良い環境を実現することが重要である。そこで、本研究では、車両と歩行者の統一的観測により、両者の状態を詳細に把握する技術を開発することを目的としている。既に、本研究の代表者等は、「時空間Markov Random Fieldモデル」という時空間画像の領域分割を行うための確率モデルを考案し、交通画像中の車両追跡において高い精度と信頼性が確認されている。 そこで、本研究では平成14年度の成果として、この時空間MRFモデルを、領域分割の最小単位であるブロックごとの動きベクトルをも、領域境界条件と同時に最適化されるように改良した。これにより、車両のように変形しない剛体だけでなく歩行者のように変形する軟体に対しても統一的な追跡を行うことが可能となった。したがって、車両同士だけでなく、車両と歩行者・歩行者同士といった任意の組合せのオクルージョンに対しても、高精度なトラッキングが実現された。さらに、当該改良により、角度が浅くオクルージョンが厳しい条件でも高精度・高信頼なトラッキングが可能となった。したがって、ビルの屋上だけでなく、信号器の上に設置する等のカメラ位置が低い場合のような条件でも実用に耐え得るようになった。尚、上記の評価は、都内某所ビルの3階から交差点を撮影した画像を用いて行った。この実験条件は、ビルが道路から奥まっているため、3階の高さからの画像俯瞰角度が路側信号器上からの俯瞰角度と同等であることにより設定された。 平成15年度においては、今年度の成果であるトラッキング技術に基づき、交差点における歩行者と車両の統一的挙動解析を長期間に渡り行う計画である。これにより、両者の相対関係を時系列に詳しく解析する手法を開発し、交差点の安全・効率改善のための有意義なデータを自動取得することを目指す。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 松下剛士, 小野貴史, 佐藤秀, 上條俊介, 坂内正夫: "動画像に基づく交通統計量・交通事象解析とそのインタフェース"パターン認識・メディア理解研究会(PRMU). PRMU-260. 105-110 (2003)
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[Publications] S.Kamijo, M.Sakauchi: "Segmentation of Vehicles and Pedestrians in Traffic Scene by Spatio-Temporal Markov Random Field Model"IEEE ICASSP. (CR-ROM). (2003)
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[Publications] 上條俊介: "特集 ますます広がるマシンビジョンの応用「ITS(Intelligent Transportation Systems)への応用」"OPLUSE. Vol.24, No.12. 1352-1357 (2002)