2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580524
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Research Institution | Musashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 茂 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (80097170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤井 信力 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (70061512)
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Keywords | 白金 / 酸素ラジカル / 気体温度 / 再結合 / プラズマ / 陽光柱 / 触媒作用 / 解離吸着 |
Research Abstract |
酸素ラジカルの空間分布を計測するためには、本手法により広範囲のラジカル密度が測定可能となる必要がある。特に低密度酸素ラジカル測定においては、白金線温度の上昇が微小であるために、白金表面での再結合割合が低いことが測定の障害となることが分かった。解決のためには白金表面温度を考慮した測定システムを構築する必要があることが分かり、以下のような結果を得ている。 1.電流加熱により白金線温度を上昇させることで、白金表面での酸素ラジカルの再結合が促進されることが実験により判明した。様々な白金線温度で実験を行った結果、約800K程度の温度設定が最適であることが分かった。なお、これ以上の高温に設定した場合には白金線表面での酸素分子の熱解離が顕著となり、ラジカル密度の正確な値が得られないことが分かった。 2.この電流加熱白金線プローブを用いて、プラズマ内の酸素ラジカルの空間分布を測定したところ、非常に妥当な空間分布を得ることができた。今後は様々なトレンチ内での空間分布測定に適応することが期待される。 3.電流加熱プローブによる酸素ラジカルの測定の加減は放電プラズマの気体温度などの影響から、下限は10^<13>cm^<-3>となることが実験的に明らかにされた。 4.電流加熱方式は実用上以下のような大きなメリットがあることが判明した。本来白金線の温度は白金線に供給されるエネルギーと損失するエネルギーのバランスにより決定される。供給エネルギーは酸素ラジカルの再結合による再結合エネルギーであり、この値から酸素ラジカル密度を導出するのであるが、従来、損失エネルギーはモデル化したプローブから数値計算を行い求めていたが、かなりの曖昧さを含んでしまう。電流加熱方式では白金線を一定温度にするために必要な電気入力を測定すれば、その値は再結合の有無で変化し、直接的に酸素ラジカル再結合供給エネルギーを導出できる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 原木, 中野, 小野, 堤井: "白金細線による酸素-窒素混合ガスプラズマ中の酸素ラジカル密度測定"電気学会 論文誌A. 123巻、11号. 1075-1080 (2003)
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[Publications] K.Teii, H.Yoshioka, S.Ono, S.Teii: "Argon dilution effects on diamond deposition in electron cyclotron resonance plasma : a double probe study"Thin Solid Films. 437. 63-67 (2003)
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[Publications] N.Haraki, S.Ono, S.Teii: "Oxygen radical density measurement using electrically heated Pt thin wire in glow discharge positive column plasma"Proceedings of 16^<th> International Symposium on Plasma Chemistry. Po2.47. 114 (2003)
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[Publications] N.Haraki, S.Ono, S.Teii: "Oxygen Radical Density Measurement in O_2-N_2 mixture gas plasma by means of thin platinum wire probe"Proceedings of The 3^<rd> Asia-Pacific International Symposium on the Basic and Application of Plasma Technology. P35. 341-345 (2003)
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[Publications] T.Yamazaki, T.Otsuki, S.Ono, S.Teii: "Decomposition of waste plastic by microwave H_2O plasma"Proceedings of The 3^<rd> Asia-Pacific International Symposium on the Basic and Application of Plasma Technology. P9. 217-220 (2003)
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[Publications] T.S.Wong, S.Ono, S.Teii: "Density Measurement of N_2(A^3Σ_u^+) by Continuum Spectrum Absorption Spectroscopy in the Plasma"Proceedings of the 21^<st> Symposium on Plasma Processing. P1-26. 122-123 (2004)
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[Publications] 小野 茂, 他: "マイクロ波応用技術"財団法人 産業創造研究所(校正済み、出版予定). 250 (2004)