2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14655012
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
柳瀬 明久 豊田工業大学, 工学部, 助教授 (50231650)
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Keywords | 微粒子 / 薄膜 / 真空蒸着法 / 表面修飾 / ぬれ / 短パルスレーザー / 金 |
Research Abstract |
第一に,微粒子表面の特定の一部分のみに蒸着膜を形成させるためのマスクを,高分子材料を用いて作製する方法を検討した。まず,粒子径500nmのシリカ微粒子とポリエチレングリコールの複合膜を,ガラス基板上にディップコーティング法によって作製した。そして,基板上にシリカ微粒子が単層で2次元的に並び,その微粒子間の隙間をポリエチレングリコールで埋めた構造の作製に成功した。現状では,ポリエチレングリコールの形態制御が困難であり,複合膜表面でシリカ粒子の一部分のみを露出させることには成功していない。 第二に,凹凸基板上に析出させたパッチ状薄膜を短パルスレーザー加熱によって微粒子化させ,均一な粒子径を持つ金属微粒子を製造する方法を検討した。実際には,シリコン基板上の大きさ10μm×10μmの領域に局所的にシリカ粒子膜を形成させ,凹凸構造とし,その上に真空蒸着法によって金薄膜を作製した。凸部上の金は,孤平したパッチ状の薄膜となった。これに対して,ナノ秒パルスレーザーを照射し,短時間に加熱,冷却することによって,1個のパッチから1個の粒子の生成を目指した。その結果,膜厚79nm以上では1個のパッチからほぼ1つの金微粒子(粒子径約3μm)が生成したが,膜厚67nm以下では1個のパッチから粒子径0.5〜1.2μmの微粒子が多数生成した。また,膜厚80nm,金薄膜を微粒子化させるために必要な光パルスのエネルギー密度は約100mJcm^<-2>であることがわかった。さらに,本方法で作製した金粒子は基板との付着力が弱く,アルコール中などで基板から脱離させ,容易に回収された。この点は,本方法で得た微粒子を応用する上で,必要不可欠な事柄である。本方法は,微粒子の局所的表面修飾の方法としても適用可能であると考えられ,今後さらに検討する。
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