2002 Fiscal Year Annual Research Report
内耳原基の器官培養系を用いた内耳の形態形成機構と内耳奇形発生のメカニズムの解明
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14657005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
塩田 浩平 京都大学, 医学研究科, 教授 (80109529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 岳 京都大学, 医学研究科, 助手 (10324617)
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Keywords | 内耳原基 / 耳胞 / 半規管 / 蝸牛 / 神経堤細胞 / snail / slug / 器官培養 / マウス胎児 |
Research Abstract |
1)内耳原基の器官培養法の確立 胎生10.5または11.5日のマウス胎児から内耳の原基である耳胞を顕微解剖により摘出し、それを培養して分化させる系を確立した。マウス胎児の頭頚部に顕微解剖と酵素処理を施して耳胞を単離し、それをマトリゲルに埋めて無血清培地で培養することにより、半規管と蝸牛の原基の分化を誘導することに成功した。一方、マウス胎児の頭部をen blocで切り出し、無血清培地で回転培養することにより、頭部組織内で耳胞を発育分化させることに成功した。これらにより、耳胞の単独器官培養系と胎児頭部の培養法を組み合わせることによって、内耳の正常及び異常分化をin vitroで解析し得る実験系を樹立した。この実験系を用い、半規管と蝸牛の発育と分化に関与する因子を同定するための実験を継続中である。 2)耳胞から遊走する神経堤細胞の観察と解析 耳胞の上皮から神経堤(neural crest)細胞が遊走し、それらが蝸牛前庭神経節を形成すると考えられている。我々はその分子メカニズムを解析するため、胎齢10.5日のマウス胎児の耳胞にエレクトロポレーションによってsnail/slug遺伝子を導入し、上記の培養系で培養を行った後、snail/slug(+)の神経堤細胞の発生とその挙動を追跡できることを確認した。現在この実験系を用いて耳胞由来神経堤細胞の遊走と分化、並びにその過程におけるsnail/slug遺伝子の役割を解析している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Miura T, Shiota K: "Depletion of FGF acts as a lateral inhibitory factor in lung branching morphogenesis in vitro"Mechanisms of Development. 116. 29-38 (2002)
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[Publications] Cohen MM Jr, Shiota K: "Teratogenesis of holoprosencephaly"American Journal of Medical Genetics. 109. 1-15 (2002)