2002 Fiscal Year Annual Research Report
心臓の発生分化における分子メカニズムの解明と心筋細胞分化誘導への応用
Project/Area Number |
14657160
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小室 一成 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30260483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 敏雄 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (00334194)
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Keywords | 分化 / GFP / 骨格筋細胞 / side population / nifedipine / 共培養 / 伸展刺激 |
Research Abstract |
我々は、心筋細胞分化誘導のin vitroでの機構を検討するために、GFP transgenic mouseより単離した骨格筋細胞を新生仔ラット心筋細胞と共培養し、骨格筋細胞に心筋蛋白が発現するかについて免疫細胞染色法により検討した。その結果、GFP陽性骨格筋由来細胞の一部はcTnT、ANP、GATA4、CSX/Nkx2.5を発現し、また、周囲の心筋細胞との細胞間接着部位にcadherinとconnexin43を発現して電気的機械的接着部位を形成することが明らかになった。また、骨格筋の幹細胞が多く含まれる分画として、FACSにより得られたSP (side population)分画とを骨格筋初代培養上清中の遅延接着細胞群を、それぞれ心筋細胞と共培養した。その結果、骨格筋のSP分画細胞にはMP (main population)分画に比較して、心筋細胞に分化するGFP陽性骨格筋由来細胞が多く存在した。また、骨格筋細胞培養上清中の遅延接着細胞には、筋芽細胞を主体とする早期接着細胞と比較して、心筋細胞との共培養によりcTnTを発現するGFP陽性骨格筋由来細胞が多く存在した。このことは、骨格筋内に含まれる幹細胞が心筋細胞に分化していることを示唆する。次に、このような骨格筋由来細胞の心筋細胞への分化に関与する因子を明らかにするために以下の検討を行った。GFP transgenic mouseの骨格筋由来細胞を新生仔ラット心筋細胞と、(1)通常の培養液、(2)nifedipine 5μM加培養液、(3)nifedipine 5μM加培養液内で周期的受動的伸展刺激を加えて共培養した。その結果、心筋細胞と共培養時にcTnTを発現するGFP陽性骨格筋由来細胞数はnifedipine5μM添加により対照に比較して減少したが、周期的受動的伸展刺激を加えることにより、nifedipineによる抑制効果は消失した。したがって、骨格筋細胞が心筋細胞との共培養において心筋細胞に分化するためには、Ca^<2+>シグナルと機械的刺激が重要であると考えられた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Toko H: "Csx/Nkx2-5 is required for homeostasis and survival of cardiac myocytes in the adult heart"J Biol Chem. 277. 24735-24743 (2002)
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[Publications] Shirai M: "The polycomb-group Rae28 sustains Nkx2.5/Csx expression and is essential for cardiac morphogenesis"J Clin Invest. 110. 177-184 (2002)
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[Publications] Sato M: "Detection of experimental autoimmune myocarditis in rats by 111 in monoclonal antibody"Circulation. 106. 1397-1402 (2002)
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[Publications] Monzen M: "Dual effects of the homebox transcription factorCsx/Nkx2-5 on cardiomyocytes"Biochem Biophys Res Commun. 298. 493-500 (2002)
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[Publications] Minamino T: "Role of telomore in endothelial dysfunction in atherosclerosis"Curr Opin Lipidol. 13. 537-543 (2002)
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[Publications] Minamino T: "Peripheral-blood or bone-marrow mononuclear cells for therapeutic angiogenesis?"The Lancet. 360. 2083-2084 (2002)
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[Publications] 小室 一成: "循環器診察二頁の秘訣"心肥大の有無に要注意. 2 (2002)