2002 Fiscal Year Annual Research Report
Wntシグナル制御による胚幹(ES)細胞からの造血幹細胞誘導の試み
Project/Area Number |
14657246
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
平尾 敦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90343350)
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Keywords | ES細胞 / Wnt / 造血幹細胞 |
Research Abstract |
本研究ではES細胞から造血幹細胞を効率よく誘導することを目的とした。特に、Wnt-βcatenin系を調節することによって、血球の誘導が可能なのではないかという仮説を持ち、それを証明する。本年度は1.βcateninのコンディショナルノックアウトES細胞を作製する。2.ES細胞から効率よく遺伝子を導入する条件の検討をすることを中心に検討を進めた。 1.βcateninのコンディショナルノックアウトES細胞の作製。 Targeting Vectorは、熊本大学、永渕昭良教授より供与された。このVectorは、マウスβcateninのすべてのエクソンを取り除き、そのかわりにβcatenin cDNAが挿入できる。その後、Cre loxPを用いてcDNAを取り除き、その時点でES細胞において、ノックアウトされることになる。まず、ES細胞に電気穿孔法により導入し、現在、Hygromycin耐性クローンの中から、相同組み換え体を確認中である。得ている。また、Hygromycin以外の耐性遺伝子を用いた、新しいvectorの構築を行っている。 2.ES細胞から血液細胞への分化条件の検討。 ES細胞培養液より、LIFを除去し、(1)OP-9との共培養(2)TypeIVコラーゲンにてコートした状態での培養を行った。効率よく造血細胞へ分化させるための条件を探るため、表面マーカーを基に検討した。その結果、Tie2+Flk1+の分画から血球および血管を誘導することができ、この分画を単離することが、分化系の確立に有効である可能性があり、変異ES細胞の解析にも応用することができると考えられた。
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