2002 Fiscal Year Annual Research Report
発生過程における嗅上皮細胞でのNotch Signalの発現に関する研究
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14657436
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西崎 和則 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90180603)
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Keywords | Notch / in situ hybridization / 嗅上皮 / 嗅覚 / 呼吸上皮 / マウス / 胎生・生后 |
Research Abstract |
胎生11日目から生後14日目までの正常BALB/Cマウスより頭部標本を採取。10%ホルマリンにて固定後EDTAにて脱灰し、パラフィン包埋を行った。5μmに薄切した標本をシランコーテイングスライドにマウントし、Notch1、Jagged2、Hes、Math遺伝子に対するRNAプローブを用いてin situ hybridizationを行った。Notch1の発現は胎生11日目には見られなかったが生後3日で嗅上皮全体に強く見られ、生後14日では嗅上皮全体に散在性に見られた。Jagged2の発現は胎生11日には嗅上皮全体に弱く見られ、生後3日で嗅上皮全体にやや強く、生後14日には基底膜に近い側に強く見られた。Hesの発現は胎生11日で嗅上皮全体に弱く見られ、生後3日と14日は嗅上皮全体に強く見られた。Mathの発現は胎生11日では見られず、生後3日では上皮に近い側で強く見られ、生後14日では嗅上皮全体に強く見られた。嗅上皮・神経の存在部位はolfactory marker proteinで免疫染色施行し確認した。呼吸上皮には今回観察したいずれの遺伝子も観察されなかった。Notch Signalは嗅神経細胞の発生過程において重要な役割を果たしていることが示唆された。今後は胎生期における嗅神経細胞の分布とNotch Signalの発現の変化を観察する必要があると考えている。また、硫酸亜鉛溶液などを用い嗅覚障害のモデルマウスを作製し、その再生過程を観察中である。
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