2002 Fiscal Year Annual Research Report
網膜変性のmodifierとしてのサイトカインと光トランスダクション異常の役割
Project/Area Number |
14657441
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中澤 満 弘前大学, 医学部, 教授 (80180272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大黒 浩 弘前大学, 医学部, 助教授 (30203748)
石黒 誠一 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (20111271)
中根 明夫 弘前大学, 医学部, 教授 (30164239)
水谷 英之 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (20271827)
大黒 幾代 弘前大学, 医学部, 講師 (90305235)
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Keywords | 網膜色素変性 / 修飾因子 / サイトカイン / GCAP2 |
Research Abstract |
網膜色素変性の原因遺伝子異常としてロドプシンやペリフェリン/RDSをはじめとする多数の原因遺伝子の変異が明らかにされてきている。しかし、これまで新規の原因遺伝子が発見されても実際にその遺伝子の変異をもつ症例の数は極めて限られており、いまだに本疾患の原因遺伝子の全貌は明らかにされていない。この事実は、本疾患を単一遺伝子病ととらえ、その原因を単一の遺伝子レベルで解明しようとする戦略だけでは限界があるのではないかとの疑問を我々に投げかけている。ヒトの遺伝子総数は実際には3万個程度とも予想され、今後極端に多くの未知遺伝子は明らかにならない可能性すらある段階にきており、本疾患のさらなる原因解明のためには発想の転換を必要としているとも言える。本研究では、網膜色素変性を単一の遺伝子に唯一の原因を求めず、その病像を修飾する蛋白質遺伝子やサイトカインに着目し、解析するという従来にない試みを行おうとしている。 研究計画として、サイトカインのノックアウトマウスを利用してマウス光傷害網膜がどのように修飾されるのかを第1段階とした。本年度は本格的な実験を開始する前段階としてINF-γ,TNF-α,およびIL-10の3種類のサイトカインのそれぞれについてノックアウトマウスを作成して飼育を開始した。本格的な実験は次年度としたい。また第2段階として我々が網膜色素変性の原因のひとつとして同定しつつあるGCAP2遺伝子変異をもつトランスジェニックマウスまたはラットの作成はまだ着手しておらずこれも次年度の課題とする。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yamazaki H, et al.: "Nilvadipine, a Ca2+ antagonist preserves retinal morphology and functions in RCS rat"Invest Ophthalmol Vis Sci. 43(4). 919-926 (2002)
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[Publications] Maruyama I, et al.: "Autoantibody against neuron-specific enolase found in glaucoma patients causes retinal dysfunction in vivo"Jpn J Ophthalmol. 46(1). 1-12 (2002)
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[Publications] Ikeda Y, et al.: "Clinical significance of serum antibody against neuron-specific enolase in glaucoma patients"Jpn J Ophthalmol. 46(1). 13-17 (2002)
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[Publications] Tanimoto N, et al.: "Electroretinographic findings in three family members with X-linked juvenile retinoschisis associated with a novel Pro192Thr mutation of the XLRS1 gene"Jpn J Ophthalmol. 46(5). 566-576 (2002)
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[Publications] Ohguro H, et al.: "Sodium glutamate as flavoring (Ajinomoto) causes as intravitreous accumulation of glutamate"Exp Eye Res. 75(3). 307-315 (2002)
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[Publications] Ohguro H, et al.: "Anti-recoverin antibody in the aqueous humor of a patient with cancer-associated retinopathy"Am J Ophthalmol. 134(4). 605-607 (2002)
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[Publications] 中沢 満: "眼科診療Q&A31"加齢黄斑変性の原因遺伝子とその臨床応用の可能性(分担). 1000 (2002)