2002 Fiscal Year Annual Research Report
上皮幹細胞を用いた自家培養口腔粘膜の短期間で高能率な作製法の開発
Project/Area Number |
14657468
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 輝男 九州大学, 歯学研究院, 教授 (60077667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城戸 瑞穂 九州大学, 歯学研究院, 助教授 (60253457)
山座 孝義 九州大学, 歯学研究院, 助手 (80304814)
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Keywords | 口腔粘膜 / 自家培養 / ラット / 組織幹細胞 / 上皮 / 大量培養 / 温度応答性培養皿 / ポリN-イソプロピルアクリルアミド |
Research Abstract |
人工口腔粘膜作製技術は、口蓋裂患者や腫瘍切除後の粘膜欠損に対する補填再建、そしてインプラント患者や義歯患者の歯槽粘膜の再建などへの応用のために、その向上が待たれる技術である。本研究の目的は人工の口腔粘膜移植片を作製し、現在の課題である質感、安定性操作性に問題なく、永久生着もでき、そして拘縮にも抵抗できる自家培養口腔粘膜を目標として、まず実験ラットを対象として短期間内に大量に作製できる培養法の確立にある。そして、この動物の培養法の確立は、最終目標であるヒト自家口腔粘膜の短期間、大量作製法の確立につながる。ラット頬粘膜より採取した上皮を含んだ組織片をdispase(合同酒精)にて処理し、4時間後に上皮を剥離した。その後、トリプシン処理により細胞を採取し、培養dish上に捲いた。単層にて早期にconfluentになるように、培養液の組成、数種の培養液を組み合わせや、それぞれの培養液を使用する期間、培養dishのコーティング処理などの条件を検討した。その結果Medium 154Sで安定した単層の細胞が得られるようになった。今後多層化した安定したシートの作製の条件を検討していく。 一方、培養dishから上皮細胞のシートの回収には、これまで、ディスパーゼなどの酵素が用いられてきているが、この処理により細胞が侵襲を受けることが知られている。そこで我々は温度感受性高分子(ポリN-イソプロピルアクリルアミド)の上で培養を試みている。これは予め培養ディッシュの表面に高分子をコーティングしておき、その上で上皮細胞を37℃にて培養、その後32℃以下では可溶性であるので培養上皮シートが溶液中に脱離してくる。本年度は単層のコロニー形成した細胞を得ることができたので、今後シート状の形成を試みていく。
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