2002 Fiscal Year Annual Research Report
分泌型IgAを指標とした音楽によるストレス免疫訓練プログラムの構築
Project/Area Number |
14657638
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
浦川 加代子 三重大学, 医学部, 講師 (00273384)
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Keywords | ストレス / 音楽 / 分泌型IgA / POMS / リラクゼーション |
Research Abstract |
本研究は音楽を用いたストレス免疫訓練プログラムの構築を日的としている。そのための基礎的研究としてストレスに対する音楽効果を検証する目的で、同一被験者に対して、実験1)受動的ストレス刺激(視覚刺激)に対する音楽による緩和効果、実験2)音楽を用いたリラクゼーション・プログラムの実施による生体への影響を、生理指標として唾液中の分泌型IgA、心理指標として情動の変化を測定する日本版POMS(Profile of Mood States)を用いて測定した。対象者は健康成人24名である。実験1)、2)とも12名ずつの音楽あり群と音楽なし群に無作為に分け、ストレス後の休憩における音楽効果を検証した。その結果、ストレス刺激を与えることによって分泌型IgAは有意に上昇したが、休憩中の音楽との有意な関連はみとめられなかった。また、心理的変化はストレス刺激後の休憩によって、気分は刺激前より改善したが音楽との関連はみとめらなかった。対象者のストレス対処型によって抑うつ気分の変化量に違いがあることが有意にみとめられた。実験2の結果、リラクゼーションプログラム前後の分泌型IgAは有意に上昇し、Cortisol値に変化がなかったことから本研究のプログラムは生理的なストレス緩和効果が認められた。また、実施前後のPOMS値は活気以外の因子が有意に減少し気分の改善がみられたが、音楽との関連はなかった。来年度は自律神経系のデータを測定し、さらにストレスに対する音楽の緩和効果を検証する。
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