2003 Fiscal Year Annual Research Report
山岳(八方尾根)降雪中の鉛同位体比測定によるアジア大陸からの越境大気汚染の定量化
Project/Area Number |
14658155
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
村野 健太郎 独立行政法人国立環境研究所, 大気圏環境研究領域, 主任研究官 (40109905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿角 孝男 長野県衛生公害研究所, 大気部, 主任研究員
川村 實 長野県衛生公害研究所, 大気部, 主任研究員
向井 人史 独立行政法人国立環境研究所, 地球環境研究センター, 研究管理官 (30157713)
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Keywords | 越境大気汚染 / 八方尾根 / 降雪 / 鉛同位体比 |
Research Abstract |
H14年度に引き続きH15年4月からH16年3月までの間に、八方尾根において80検体以上の降水試料を採取した。また八方尾根との比較のために都市部の長野県衛生公害研究所(長野市)においても、H15年9月より1週間単位で降水試料を採取した。これらの試料は、H14年度同様に溶解性成分(ろ液)と不溶解性成分(残査)に分けて鉛同位体比の分析を行った。 ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析装置)による鉛同位体比の分析方法について詳細な検討を行い、鉛同位体比の分析精度がCV%で0.5から0.2に向上した。また不溶解性成分の分析方法について検討した結果、硝酸、過塩素酸、ふっ酸による、ろ紙の酸分解法を確立した。 採取・保存した試料のうち、溶解性成分についてはH14年4月からH15年10月採取分まで、また不溶解性成分についてはH14年4月からH15年5月採取分まで分析を実施し鉛同位体比を確定した。このうちH14年度分の鉛同位体比分析結果について基礎的な解析を行い、鉛同位体比の値やその季節変化の特徴をまとめ、H15年12月の国際ジョイントセミナー、The Ninth International Joint Seminar on the Regional Deposition Processes in the Atmosphere (バンコク)において、Measurements of Trace Metals and Lead Isotope Ratio in Precipitation at Mt.Happo, Central Japan : T.Katsuno, M.Kawamura, K.Nakagomi, H.Mukai, K.Muranoで発表した。 今後は引き続き鉛同位体比のデータを蓄積するとともに、気象データと合わせた解析を進め、アジア大陸からの越境大気汚染の定量化を行う。
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