2003 Fiscal Year Annual Research Report
予測技術を用いた高性能/低消費電力メモリ・システムの開発
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14702064
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
井上 弘士 福岡大学, 工学部, 助手 (80341410)
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Keywords | 低消費電力 / 予測技術 / 再利用技術 / カスタム設計 / 組込みシステム / キャッシュ・メモリ / 命令ROM / レジスタ・ファイル |
Research Abstract |
平成15年度は、本研究に関して以下の内容を実施した。 (1)前年度提案した、タグ比較結果の再利用による低消費電力キャッシュ・アーキテクチャに関して、0,18μm CMOSプロセスを用いた実設計を行い、消費エネルギーとアクセス時間を測定した。また、プロセッサ・シミュレータによる定量的評価を実施し、提案手法の有効性をより詳細に評価した。これらの実験結果に関しては国内の会議にて発表した。 (2)動画像圧縮プログラムを対象とし、動的なゼロ値予測に基づく高性能かつ低消費電力な画像圧縮方式を提案した。また、広く普及しているMPEG2処理用のシミュレータを開発し、提案手法の有効性を明らかにした。さらに、提案手法の実現方式における設計選択肢を明確にし、動画像フレームの種類にあわせて選択的にゼロ値予測を実施する方式も考案した。これらの研究成果に関しては、国内外の会議にて発表した。 (3)前年度に引き続き、プロセッサにおけるレジスタ・ファイルの低消費電力化技術の開発を行った。前年度での実験結果を踏まえ、提案手法の効果をより向上するためのアクセス方式を提案した。また、プロセッサ・シミュレータを開発してその有効性を明らかにした。さらに、ハードウェア記述言語を用いた設計結果に基づき、提案手法によるハードウェア・オーバヘッドに関する評価も行った。本研究の成果に関しては国外での会議で発表した(また、国内論文誌にも投稿中である)。 (4)新しい動的最適化技術の基礎調査として、キャッシュ・ミス頻発命令の特徴解析を行った。具体的には、プログラム実行においてメモリ性能を低下させる特定の命令を抽出し、それに応じた最適化を動的に実施する技術を開発している。本研究の成果は、来年度に実施する応用研究での基礎データとして用いる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Inoue, V.Moshnyaga, K.Murakami: "Instruction Encoding for Reducing Power Consumption of I-ROMs Based on Execution Locality"IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences. vol.E86-A no.4. 799-805 (2003)
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[Publications] 西田 敬宏, 井上 弘士, モシニャガ ワシリー: "ゼロ値予測に基づくDCT演算数削除手法の提案とその評価"第15回 回路とシステム(軽井沢)ワークショップ. 147-152 (2003)
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[Publications] Y.Nishida, K.Inoue, V.Moshnyaga: "A Zero-Value Prediction Technique for Fast DCT Computation"Proc.of The 2003 IEEE Workshop on Signal Processing Systems. 165-170 (2003)
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[Publications] H.Takamura, K.Inoue, V.Moshnyaga: "Reducing Access Count to Register Files through Operand Reuse"Proc.of The 8th Asia-Pacific Computer Systems Architecture Conference (LNCS 2823). 112-121 (2003)
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[Publications] 田中秀和, 井上弘士, モシニャガ ワシリー, 村上和彰: "ヒストリ・ベース・タグ比較キャッシュの設計と評価"第66回情報処理学会全国大会講演論文集(1). 83-84 (2003)