2003 Fiscal Year Annual Research Report
破歯細胞形成におけるRANK・RANKLの発現とOPGの抑制効果に関する研究
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14704051
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡辺 淳一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80313550)
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Keywords | OPG / 再植 / 保存液 / 破歯細胞 / 癒着 / 歯根膜細胞 / 破歯細胞形成 / 歯根吸収 |
Research Abstract |
ラットを用いて、再植実験におけるOPG(osteoprotegerin)/OCIF(osteoclastogenesis inhibitory factor)添加溶液の有効性を検討した。結果として、術後14日目で治癒良好例と治癒不良例を組織学的に分類することが可能となった。歯牙が生着したものを良好例とし、生着しなかったもの不良例としたため、良好例の治癒形態には、反応性の象牙質添加やセメント質添加だけがみられるもの、歯髄内部に硬組織添加のみられるもの、歯根膜の介在が一部消失し骨性癒着のみられるもの、などが観察された。不良例では、歯髄壊死に伴い炎症性反応が歯周組織に波及し歯牙生着を不良にしたもの、炎症を伴い多数の破歯細胞による著しい歯牙の外部および内部吸収が引き起こされ歯牙生着を不良にしたもの、歯牙が完全に脱落していたもの、などが観察された。 上記に示したような組織学的観察を行い、再植実験におけるOPG(OCIF)添加溶液の有効性を検討した。脱臼歯をOPG(OCIF)を添加した溶液に保存液したものは、生理食塩水に保存液にしたものと比較して、明らかに治癒良好を示す傾向を示した。また、OPG(OCIF)を添加した溶液のOPG(OCIF)濃度で比較してみると、ある一定の濃度までは濃度依存的に治癒良好例の増加が認められたが、それ以上の濃度になると治癒良好例の増加は認められなかった。しかしながら例数が少なかったために、統計学的に有意な差としては提示できなかったので、追加実験と更なる検討を加える必要がある。 昨年度からの継続課題であるが、生後6日齢ウサギにOPG(OCIF)生体内投与実験を行い、破歯細胞形成および破骨細胞形成抑制効果ならび成長期の骨化部位への影響を検討した。例数を増やし観察を行ったところ、昨年度同様に、破歯細胞形成および破骨細胞形成に対して抑制効果が認められる組織学的所見が得られたので、どのような方法で表現すれば、統計学的に有意な差として検出されるのか検討中である。
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