2002 Fiscal Year Annual Research Report
対面的説得場面における説得者と被説得者の相互影響過程
Project/Area Number |
14710108
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Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
原 奈津子 就実女子大学, 人文科学部, 助教授 (80322585)
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Keywords | 説得 / コミュニケーション / インターパーソナル・コミュニケーション / 送り手(源泉source) / 認知 / 情報処理過程 |
Research Abstract |
1.他者を説得する際の認知内容についての検討 説得相手や説得内容の違いによる送り手の認知内容の差異を日記法により検討した.調査対象者に対して,1週間に渡って「誰かを説得する」度に,そのときの状況や意識内容を記録用紙に従って記入するように求めた.得られた説得事例について数量化III類を行い,説得状況および説得時の認知過程の関連を検討した.その結果,説得相手が家族の場合,その内容は「自己関与が高い」内容が多く,認知の特徴として「自己イメージへの意識の低さ」「相手の事前の感情状態への配慮」が示された.相手が友人等の場合には,その内容は「重要」であるが「自己関与は低い」傾向がみられた.また認知の特徴として「慎重・親しみイメージへの意識」「相手の立場への配慮」が示された. 2.説得目的の分類 上記の研究において,説得者の意識内容が,説得目的によって異なることが示された.したがって説得者の意識内容やプロセスを体系的に検討するにあたっては,まず多種多様な説得目的を類型化し,それらの目的による意識への影響を明確にしておく必要がある.そこで説得目的の類型化を目的とした質問紙調査を行った.予備調査によって収集された50の説得目的について,説得経験の有無,説得の困難さなどの評定を求めた.そして説得の困難さの評定項目について因子分析を行った結果,「相手の好意を得る」「仕事に関する助力を求める」「自分の意見への理解を求める」「人間関係に関するアドバイスを与える」「規範の遵守を求める」「金銭的・物理的援助を求める」「社会的活動への協力を求める」など,12種類の説得目的が得られた.今後,この類型の妥当性の確認とともに,説得目的が説得者の認知内容に与える影響を検討していく予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 原奈津子: "「説得されやすい人」のイメージ-対面的説得場面における説得者の心理過程(2)"日本心理学会第66回大会発表論文集. 213 (2002)
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[Publications] 原奈津子: "説得状況による送り手の認知過程の差異-対面的説得場面に関する探索的検討-"日本社会心理学会第42回大会発表論文集. 232-233 (2002)
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[Publications] 原奈津子: "対面的説得場面における説得者の認知"就実女子大学論叢(社会篇). 32. 7-18 (2003)