2003 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本における医療職養成政策の過程分析―フィールド調査を中心として―
Project/Area Number |
14710211
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 鉱市 東北大学, 大学院・教育学研究科, 助教授 (40260509)
|
Keywords | GHQ / SCAP / PHW / 医学教育 / 政策過程 / 高等教育 |
Research Abstract |
平成15年度の研究実績としては、当初の研究実施計画にしたがいつつ昨年度の作業をふまえて、内外の政策過程論や高等教育に関する文献・論文のほか、大学史・学校史の他に大手新聞や教育関係の専門新聞、『白書』類や各省庁の出版物、各職業団体の刊行物、専門業界雑誌などを中心として、個々の医療職に関する基本的な資料・文献を収集・整理した。ケーススタディとするフィールドとして、1970年に全国で初めて医学部増設が認められた秋田大学を有する秋田県、続いて医学部が設置された山形県、北海道、愛媛県、また県立から医学部を国立に移管した三重大学やコ・メディカルを総合的に養成する医療大学を持つ三重県などを選定し、それぞれの県議会ならびに市議会レベルでの医療系大学・学部設置をめぐる政策形成について、当時の議会史・議事録を収集・コピー・分析を進めた。同時に、東北6県を中心として、コ・メディカルの養成機関(大学・短大・専門学校)から、パンフレットなどを収集し個別にデータを収集し、入学生の出身地域、カリキュラム、卒業生の配分などの分析を進めた。これらと平行して、昨年度からの作業の延長として、国会図書館のGHQ/SCAP/PHW関係のマイクロフィッシュから、医学・歯学・看護系の高等教育に関する部分を経年的に整理した上で、占領期の医療系学部の統廃合に関する審議過程を分析し、研究科紀要にその後半部分を掲載した。また医療職を含めた高等教育の政策分析の代表的な文献であるT.J.Pempel, Patterns of Japanese Policymaking : Experience from Higher Educationの翻訳を進めた。来年度はこれらの作業とデータを下敷きにして、東北6県を対象として具体的な地域を選定し、医学部などを中心とした政策形成の分析に入る予定である。
|
Research Products
(2 results)