2002 Fiscal Year Annual Research Report
地方銀行経営の大衆銀行化と経営組織の変容 -1940〜50年代-
Project/Area Number |
14730062
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
白鳥 圭志 東北学院大学, 経済学部, 助教授 (70337187)
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Keywords | 大衆銀行化 / 経営組織 / 国債消化機関化 / 地方銀行 |
Research Abstract |
今年度の成果としては、まず、山形銀行所蔵経営資料(1960年まで)の整理と目録化が完了したことが挙げられる。資料目録は山形銀行のご好意で、県内の関連施設や金融史・経営史研究者に配布されるとともに、目録と同行所蔵資料は『山形県史』など山形県内の自治体史の編纂事業でも活用されている。ここに見られるように、本作業の完了は筆者の研究の基盤になっただけではなく、公共の利用にも供されており、この意味で税金を財源とする科学研究費補助金の趣旨に沿ったものになったと言えよう。 次に、狭義の筆者個人の研究の進展動向である。これについては、本年度は同行所蔵資料中、1930年代後半から1950年代前半についての資料収集が終わり、この時期の経営組織の変容に関する分析が相当程度進展した。ただし、当時の関係者に対するヒアリングがまだ完了しておらず、この点は来年度の課題として残されているが、来年度のできるだけ早い時期にこの作業を完了し、学会報告を実施する方向で研究を進めている。 このほか、本年度は、地方銀行の経営動向と密接な関係をもつ、中央の政策動向に関する資料調査も実施し、東京大学、一橋大学、国立国会図書館、日本銀行金融研究所所蔵資料の調査と収集、さらには一部資料の目録化といった研究の基礎となる作業を進めた。来年度は、さらに資料収集を進めるとともに、経営環境も含めて当該期の地方銀行経営を取り巻く状況の分析を進め、広い視野から地方銀行経営のあり方の変容の特質把握を目指したいと考えている。
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