2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマン・サービスのクオリティと生産性向上のためのマネジメントに関する研究
Project/Area Number |
14730086
|
Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
和田 正春 東北学院大学, 経済学部, 助教授 (70257278)
|
Keywords | サービス / サービス・クオリティ / 顧客満足 / ヒューマン・サービス |
Research Abstract |
本年度の研究・調査の概要は、次の点に要約できる。 1.関連する研究、事例についての文献調査および訪問調査 2.調査対象企業に参画しての組織関係の調査研究 3.調査対象企業の事業についての検討 この内2,3について報告する。調査対象企業は福祉機器製造販売を行う企業であるが、この企業に対して3年ほど前から接触し、介護保険制度対応について検討してきた。福祉関連企業は、その顧客の極めて複雑多様な問題に密接に対応していくことが求められる。そこで極めて重要な役割を果たすのが「人」である。しかし同社は長い実績に基づく高い信頼を獲得するなど、地域市場において優位性を持ちながらも、決して介護保険導入という転換期にその優位性を強化できなかった理由は、急拡大する市場に対応し得るだけの経営力を持ち得なかったことと、「人」を十分に活かせるだけの体制が整っていなかったことと考えることができる。この問題点を克服し、顧客満足度を向上させ、かつ生産性の向上を果たすために、業務の全般的な見直しと、サービス・プログラムの構築・実践を進めていくことを、この企業が自主的にどの様に進めるのかを参与しながら調査・研究していくことを目指している。 本年度は、同社プロジェクトチームと密接な打ち合わせをしながら、改善の方向を模索していった。その中で全社員を対象にしたアンケートを行い、組織の現状を把握した。さらに経営陣との打ち合わせを行い、改善案を明示するとともに、改善の方向性を確認した。それに基づき、プロジェクトチームと組織の問題点や改善策を検討し、進めるべき実践案を策定するまで、本年度中に進めることができた。新年度からは、改善策を実行し、組織内の変化の観察を進めたいと考えている。 組織は決して一枚岩ではないし、様々な抵抗も予想される。改善策の実現にどの様な抵抗が考えられ、どうずればそれに打ち勝つことができるのか、ということを今後検討していかねばならないが、サービス改善に関わる課題を特定し、ヒューマンパワーを引き出すための取り組みを進めることができた。
|