2002 Fiscal Year Annual Research Report
超高速専用計算機によるダークマターハローおよびサブハローの構造に関する研究
Project/Area Number |
14740127
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福重 俊幸 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (60282513)
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Keywords | 宇宙論 / ダークマター / 重力多体シミュレーション / 専用計算機 / 天体形成 |
Research Abstract |
この研究では、宇宙論的密度揺らぎから重力クラスタリングの結果できるダークマターハローおよびサブハローがどのような構造を持つかを、重力多体シミュレーションで明らかにすることを目的としている。この研究においては、シミュレーションの空間分解能、質量分解能の向上がブレークスルーをもたらすと考えている。そのために、クラスター構成の重力多体シミュレーション専用計算機GRAPE(以下GRAPEクラスタ)を開発し、大規模なシミュレーションを行なう。本年度の研究実績は以下の2点にまとめられる。 1.先行して開発した小規模なGRAPEクラスタでダークマターハローの構造を調べた。これまでのシミュレーションより1桁近く分解能をあげた銀河団スケールでのダークマターハロー形成のN体シミュレーションを行なった。その結果、概ね1%ビリアル半径(約20kpc程度)より内側では、密度のべきはこれまで考えられていた-1.5乗のカスプよりわずかながら浅い方にずれることがわかった。そのずれ方はハロー毎に異なる。すなわち、Universalな構造をもたないということを意味する。1%ビリアル半径より外側では、Moore et al.(1999)のプロファイルに良く合うことを確認した。この1%ビリアル半径はこれまでのシミュレーションの分解能の限界にあたる。 2.より大規模なクラスタの開発をすすめた。開発したクラスタの基本構成はGRAPE-6Aカードとホストコンピュータからなる。GRAPE-6Aカードは、PCのPCIバスに直結したGRAPEであり、そのGRAPE-6Aカードの量産を行なった。現在、ホストコンピュータ用部品とGRAPE-6Aカードから、並列GRAPEクラスタの組上げを行なっていて、来年度早々には動作する予定である。
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Research Products
(1 results)