2002 Fiscal Year Annual Research Report
硬X線―光赤外共同観測による「隠された活動銀河」の宇宙論的進化の解明
Project/Area Number |
14740136
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
上田 佳宏 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (10290876)
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Keywords | 活動銀河 / サーベイ / X線背景放射 / 硬X線 / 光度関数 |
Research Abstract |
X線天文衛星「あすか」中間感度サーベイで見つかった硬いスペクトルをもつ7個のX線源の追求観測をチャンドラ衛星を用いて行ない、その位置とX線スペクトルを精度良く決定し、うち5天体について光学同定を行なった。その結果、うち3つは赤方偏移パラメータ0.1以下の近傍に存在する、可視や近赤外では一見「普通の銀河」である事実をつきとめた。これはX線背景放射の起源を考える上で大変重要な示唆である。また、「あすか」のGISアーカイブデータを用いたX線背景放射のスペクトルを系統的に解析し、そのスペクトルの形と絶対強度をかつてない高い精度で決定したとともに、そのゆらぎがX線の個数ゆらぎと矛盾しないことを確かめた。以上の結果はいずれもPASJ誌に論文発表した。一方、本研究のメインの目的であるAGNの光度関数の研究を進めた。まず「あすか」、HEAO1、チャンドラ衛星による2keV以上の硬X線バンドで発見された200個以上のAGNサンプルを構築し、吸収量関数と硬X線光度関数を赤方偏移ごとに決定した。最初の結果は9月にスペインで行なわれた「X線サベイ」ワークショップで発表し、その後より詳細な解析を米国カーネギーメロン大学にて行なった。さらに「あすか」中間感度サーベイで見つかった硬X線ソースの系統的な近赤外バンドでの測光観測をハワイ大学望遠鏡で行なった。このデータは現在解析中である。また、「すばる」-XMMディープサベーイのコアメンバーとしてX線データの解析を進めた。本年度は、X線源選出の解析方法を確立し、第一次X線カタログを完成した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kushino, et al.: "Study of the X-Ray Background Spectrum and Its Large-Scale Fluctuation with ASCA"Publications of the Astronomical Society of Japan. 54. 327 (2002)
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[Publications] Watanabe, et al.: "Chandra Observation and Optical Identification of Hard X-Ray Sources Discovered with ASCA"Publications of the Astronomical Society of Japan. 54. 683 (2002)
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[Publications] Ueda, et al.: "Study of the Largest Multiwavelength Campaign of the Microguasar GRS 1915+105"Astrophysical Journal. 571. 918 (2002)
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[Publications] Tanaka, Ueda, Boller: "ASCA Observation of a dib of GRO J1655-40 : evidence for partial corering and its implication"Monthly Notice of the Royal Astronomical Society. 338. L1 (2003)
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[Publications] Miyaji, et al.: "ASCA observation of unusually X-ray Hard Radio Quiet QSO Kaz 102"Publications of the Astronomical Society of Japan. (in press). (2003)
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[Publications] Ueda, et al.: "The hard X-ray luminosity function from ASCA surveys"Astronomische Nachrichten. 324. 36 (2003)